干支の山 羊ヶ嶽(櫃ヶ嶽)その2 雨石山・岩尾峰縦走
誰も居ない羊ヶ嶽山頂でジンギスカンに舌鼓を打った後は、
雨石山(611m)方面に縦走することにしよう(10:16)

雨石山に続く稜線は由良川水系と加古川水系とを隔てる中央分水嶺であり、
東多紀アルプスとも呼ばれている。
アルプスとはちと大げさ過ぎると思っていたのだが。。。
せっかく稼いだ標高を100mほど下っていく。

逆回りの場合も結構キツいかも。
宮代~羊ヶ嶽間とは異なり、トレースはあまり明瞭ではないが、

赤テープや赤いプラ杭を頼りに進んでいく。

10:34 小ピーク(標高約481m)

P546までの区間は、標高差20~30mほどの細かいアップダウンが連続する。
今の時期は落葉しているので正直どこでも歩けるが、藪や下草が茂ると結構煩そう。

10:46 小ピーク(標高約539m)

藪越しに見えるのは雨石山ではなく、前峰のP595。

P595までの間の深い鞍部が気になるのだが・・・
10:51 P546(標高約546m)

P546とP595との間には小野峠(標高約427m)があり、
120mほど下って170mほど登り返さないとならない(汗)
P546から何気なしに左の青い矢印方向に下っていってしまう。

というのもこちらのトレースの方が明瞭で、しかもテープやプラ杭もあったからだ。
次第にゴツゴツした岩のヤセ尾根になり、この地点でようやくおかしいことに気付く(10:58)

回りの地形と持参した地図をにらめっこしながらルート確認。

あれがP595と雨石山だとすると、鞍部の小野峠はもう少し右手(北)にあるはずだから・・・
振り返って先ほど通過したP546を見ると、どうも違う尾根に進んでしまったようで、

先ほどの赤い矢印方向に下らないといけなかったのだ。
(よっし~よ、感じるのだ!フォースの息吹を・・・)
どえむ騎士団の”ドエムマスター・コウダ”の声が頭の中に響き渡る(ウソ)
下ってきた尾根を登り返していると、途中にトラバースできそうな箇所を発見。

藪が茂る前だったので、なんとか登山道に復帰することができた(11:07)

この縦走ルートには羊ヶ嶽までのような道標はほとんどなく、
僅かなトレースと赤テープや府県境の杭ぐらいしか目印になるものはありません。
最低でも地図とコンパスは持参し、

できれば積雪期や藪や下草が茂る頃は、GPSもあった方がいいと思います。
峠に向けてドンドン下っていきます。

11:16 小野(この)峠(標高約427m)

京都府京丹波町(旧瑞穂町)小野と兵庫県篠山市小倉を結ぶ峠で、ここも中央分水嶺。
標識等は見当たらなかった。
峠からは170mほどの登り返しになる。。。

トレースが不明瞭で、特に藪が茂る頃はテープやリボンを見失わないように。

キツい。。。

かなりの急登で、しかも灌木が多くて登りづらく、立ち止まりが激増。

”ドエムマスター・コウダ”から「ただの藪登り」と言われた禅師王子山のようだ(笑)
キツくて俯いて登っているので、赤テープを見失うこともしばしば。

(よっし~、目に頼るな。フォースを感じるのだ!)
わかりました! マスター・コウダ(笑)
ようやく急登が終了(12:00)

いや~ この登り返しは本当にキツかった。
12:05 P595(標高約595m)

立ったまま水分補給。気温がどんどん上がっているので、水の減りも思った以上に早い。
一面に雪が残っていたが2~3cmほど。

P595から雨石山の区間は、ゆるやかな広尾根になっていて歩きやすい。

12:27 雨石山山頂(あめいしやま)(標高611m)

羊ヶ嶽から2時間11分でとうちゃこ。山頂は木々に囲まれ、眺望はほとんどありません。
標識や看板の類は見当たらなかったが、丸太のベンチがあるので多分ここなんだろう。

雨石山は山頂にいつも雨がたまっている石があることから名付けられたとされ、
その石に向かって雨乞いの祈祷が行われたという伝承が残っている。
でも雨石山山頂や先ほどのP595にもそれらしき石は見当たらなかったのだが・・・
明確に雨石山と呼ばれるようになったのは国土地理院の地図に山名が記載されてからで、
麓の小倉などの住民たちはここを、”だんよ”と呼ぶ方も多いらしい。
”だんよ”とは岩稜の多い荒々しい山体が、さながら”ライオン”のように見えるので、
訛ってこう呼ばれるようになったとも謂われる。
また反対側の京丹波町では、雨石山はこのP611でなく、P595を指す方も多いそうだ。
ひと息入れた後、先に進みます(12:32)

逆コースで縦走される方もあるようだが、今日はまだ誰とも出会っていない。
やっぱり今日この山域にいるのは私だけなのかも(汗)
10分ほど進んでいくと大きな岩が目立つようになってきた。

もしかしてこの岩が雨石?
稜線は岩稜のヤセ尾根に変わり、ルートファインディングが慎重にならざるを得ない。

テープ類も赤だけでなく、白だったり黄色だったりするので、見落とさないように注意。
岩にペインティングもされておらず、ロープや鎖、階段の類も全くありません。

そろそろポールが邪魔になってきたので、ザックに収納。

四輪駆動(両手足)、時には五輪駆動(プラスお尻)を駆使して慎重に進んでいく。
背後を振り返ると歩いてきた稜線が一望で、羊ヶ嶽はもうあんな遠くに。

ヤセ尾根はまだまだ続きます。

東多紀アルプスってちょっと大げさと言いましたが、訂正します(笑)
13:00 岩尾峰(仮称)(標高約630m)

大きな一本松が生えたこの場所で小休止。
松の木にはこのような看板があった。

630m峰
(仮称)岩尾峰
毘沙門山はここではありません。
鉄塔の西の峰です。
<ネットの書き込みはまちがいです>
大芋の住民
どうやらこのP630をこの先にある毘沙門山とする山行レポもあるようだ。
確かにP630は雨石連山の中では最高峰で、麓から見ると一番存在感があるからなのだろう。
ちなみに京丹波町(旧瑞穂町)側では、岩尾峰のことを”板坂山”と呼んでいるらしい。
旧丹波国は現在の京都府、兵庫県、大阪府に跨り、幕藩期には4つの藩や天領に分かれていたため、
地域によって文化や風習などが微妙に異なる。
雨石山にしろ、この岩尾峰にしろ、そういう土壌が山名の違いにも影響しているのかも。
しかし雨石連山最高地点で、しかも中央分水嶺にもかかわらず、無名峰じゃあまりにも残念過ぎる。
切り立った岩稜のピークなので、大芋の住民さんの命名された岩尾峰は至極的を得た山名だと思う。
岩尾峰からの眺望は素晴らしく、西側には多紀アルプス最高峰の八ヶ尾山(677m)。

八ヶ尾山も雨乞い伝説のある山で、山麓には風光明媚な筱見(しのみ)四十八滝がある。
麓の大芋地区の集落もようやく望めた。

岩尾峰から先もヤセ尾根が続きます。

しかも今度は下りなので一段と慎重に進んでいきます。
高圧鉄塔(関西電力丹波幹線)が近づいてきた。

福井県の原発で発電された電気を関西に送る重要な送電線。
これはいったいどこを通れば・・・?

(考えるな、フォースを感じるのだ!)
感じた通り、この大岩をそのまま登っていくと正解でした(笑)
13:22 乙64鉄塔(標高約590m)

この辺りは巡視路にもなっており、乙64鉄塔のすぐ先で道が二手に分かれる(13:23)

左側には巡視路お約束のプラ階段があるので、一見正しそうに思えるが間違い!
毘沙門山には右手の尾根を進むのが正解です。
なおここにも標識や矢印の類はないので、下りの際はご注意を。
13:29 甲64鉄塔(標高約574m)

甲64鉄塔からは軽い登り返しになる。
13:35 毘沙門山(標高約580m)

この山はかつて修験者が修業したとされ、山腹には毘沙門洞という洞窟があるそうだ。
地図を見る限り、あとは尾根を下っていくだけのようだ。

この辺りの目印はビニール紐が多かった。

前方に人工物らしきモノ(展望台)が見えてきた。

どうやらこの先は遊歩道になっているようだ。
道幅も随分広くなり、つづら折れに下っていく。

途中毘沙門洞に分岐する箇所があったが今回はパス。
14:16 鳥居(毘沙門山登山口)(標高約292m)

脇に杖がたくさん置いてあったので、ここが毘沙門山の登山口なのだろう。
羊ヶ嶽から4時間歩いてきたが、誰とも出会わなかった。
好天の土曜日なのになんでだろう?
すぐ近くには一の滝という落差7mほどの滝があり、ここで最後の小休止。

滝の周りには3体ほどお地蔵さまが祀られている。
岩に腰を下ろしていると、60代ぐらいのご夫婦が登ってこられた。
軽装だったのでどうやら遊歩道散策のようだ。
また一の滝の木陰からは二の滝が僅かに望める。

二の滝を見にいかれたご夫婦と別れ、林道を下っていく(14:28)

14:34 小原自然公園(標高約270m)

逆回りで縦走される方はここに車を停められる方が多いそうだ。
さっきの二の滝の上には三の滝もあるようだ。

藤坂川にかかる毘沙門橋(標高約257m)を渡ると前方にR173が見えてくる(14:37)

国道に出ず、橋を渡ってすぐの農道を歩いていく。

そして次の向ィ谷橋(標高約253m)を渡る。

R173を進み、朝通った福井交差点から宮代に戻ることもできるが、

こちらのルートの方が1kmほど短い。

小原集落と小倉集落を結ぶ峠道で、かつてはよく利用されていたようだが、

現在は縦走するハイカーぐらいしか通らず、途中出会った地元の男性も呆れていた(笑)
なんかどんどん藪がヒドくなってくるんですが。。。

しかも峠道なのでまた登ります(汗)

14:57 小原-小倉峠(標高約313m)

峠はU字型に大きく掘れており、往時は頻繁に人馬が行き交ったのだろう。
小倉側は斜面をトラバースしながら緩やかに下っていく。

小倉集落が見えてきた。

ここにもイノシシ除けのフェンスがあるので、通過後は施錠を忘れずに。
車を停めた宮代まで農道を歩いていく。

左手には先ほど縦走してきた雨石連山の山並みが望めた。

ようやく宮代集落に帰ってきた。

15:20 ゲートボール場駐車場(標高約262m)

朝同様、駐車場には他の車はなかった。
行動時間約7時間、歩行距離約11kmと久しぶりのロングハイクとなった。
最初はナメてかかっていたが、急登あり~の、道迷いあり~の、岩稜歩きあり~のと、
変化に富んだハイクが楽しめ、達成感もひとしお。
特に岩尾峰周辺の岩稜地帯はかなり高度感があり、キャンキュン状態でした(笑)
標高600mほどの低山だが、櫃ヶ嶽までの区間を除いてはほとんど道標はなく、
トレースと赤テープぐらいしか目印はがないので、地図は絶対に忘れずに!
あとコレも忘れずに!(笑)
”フォースと共に在らんことを”
今回歩いたコース (クリックすると大きくなります)

(この区間の行程)
羊ヶ嶽(櫃ヶ嶽)山頂10:16~10:51P546~(道迷い)~11:16小野峠~12:05P595~12:27雨石山(小休止)12:32~13:00岩尾峰(小休止)13:10~13:22乙64鉄塔~13:29甲64鉄塔~13:35毘沙門山~14:16鳥居(登山口)~14:17一の滝(小休止)14:28~14:34小原自然公園~14:37毘沙門橋~14:57小原-小倉峠~15:20駐車場
やっぱり、山っていいね!
羊ヶ嶽(櫃ヶ嶽)(582m)・雨石山(611m)・岩尾峰(630m)・毘沙門山(580m)
標高差368m
登り 3時間48分、下り 1時間7分、ウオーク 1時間3分、TOTAL 7時間2分
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