乙坂山(289m)

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Byよっし~

2012年11月25日(日) 快晴

昨日は久しぶりに晴れ間が広がり、絶好のハイク日和だったが、生憎仕事だった(涙)
実は今日文殊山の整備協力があり、日頃遊ばせて貰っている文殊山へのご奉仕、お手伝いしたいのはやまやまだが、今日も晩秋の北陸には珍しい快晴の予報。
明日からは再び傘マークの日が続き、こんな好天を逃すのはもったいない。
先月に奥の院再建の資材運搬をお手伝いしたし、今回はパスさせてもらおう。すみません。
今日は以前から登ってみたかった里山を巡ってみることにする。

1座目は乙坂山(おっさかやま)(289.9m)
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文殊山から西へ4kmほどいった福井市(旧清水町)越前町(旧朝日町)にまたがる山で、応神天皇の第4皇子、息長丹生真人(おきながにゅうのまひと)が王女の乙坂姫(忍坂姫)とともにこの山の麓に住んでいたとされ、旧清水町や旧朝日町が属した丹生郡(にゅうぐん)や乙坂の地名は、この故事に由来すると言われている。
 
ちなみに”丹生”とは「辰砂=硫化水銀」のことで、福井・岐阜・滋賀・京都など古代の水銀鉱床の分布する地域に、丹生という地名が多く分布する。
辰砂は鉄精錬にはかかせない技術で、丹生郡内の旧織田町(越前町)にある劔(つるぎ)神社など鉄に関連する名跡も多い。
なお余談だが、この劔神社の神官だった一族が織田氏で、守護の斯波氏の守護代として尾張に移って勢力を拡大し、後に織田信長公へと続くとされる。

放射冷却現象のこの日の最低気温は1℃と、この秋一番の冷え込み。
少し温かくなるまでテレビを見ながらブラブラし、自宅を出発したのは8時半と遅めだった。

9:41 乙坂山登山口駐車場(標高約28m)
IMG_4584.jpg
最初登山口の場所が分からず、付近の住民の方に尋ねながら、なんとか発見。
駐車場は7~8台駐車可能で、先客の車が3台あったが、どうやら地元の方が作業のため駐車しているようだ。

駐車場の一画にあった登山道の案内看板。
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登山道はゆるやかコース神社コースの2コースがあり、周回できるようになっている。神社コースには急坂とあったので、登りはゆるやかコースをチョイス。

9:45 乙坂山登山口(標高約28m)
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幾分緩んだとはいえ、気温は6℃。ジャケットを着込んでハイク開始。
まずは舗装された林道を登っていく。

歩き始めて1分。堰堤手前で林道と分かれ、登山道へ。
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出だしは竹林と杉林の混じった急坂を登っていく。
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9:50 中郷の水(標高約85m)
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登山道から10mほど離れた箇所に湧き水が湧いていたので寄ってみる。

早速、マイカップで飲んでみる。
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冷たくて美味しい! 乙坂山にはこのような清水が多いらしい。なお中郷の水から先にも登山道が続いていたが、これは旧道で近年は未整備のままらしい。

登山道は急登でこそないが、結構足に堪えてくる。
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ぜんぜん”ゆるやか”じゃないんですけど(笑)

一旦林道を横切って、再び登っていく。
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迷いそうな箇所には、このような案内看板が細かく配置されているので安心。
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次第に登山道は落ち葉の絨毯に覆われてくる。
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10:09 尾根出合(標高約220m)
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やっと尾根筋に出る。

黄葉の始まった尾根上の登山道をゆるやかに登っていく。
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もう山頂かと思いきや、騙しピークだった(笑)
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一旦鞍部に下って登り返し、10分ほど進んでいくと
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開けた場所が見えてきた。
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10:25 乙坂山山頂(標高289.9m)
IMG_4607.jpg
標準タイム60分のところ、40分で到着。やはり先客はいなかった。

お約束の三角点(二等:本宮山)タッチ。
IMG_4612_20121126232751.jpg

地元の乙坂山の会が制作された展望図。
IMG_4609.jpg

山頂からの眺望は南側のみ開けている。
IMG_4614.jpg

解説文によると、乙坂山にはかつて芝築地山城(しばついじやまじょう)という山城があり、南北朝時代には南朝方の新田義貞の家臣、畑時能(はたときよし)が、北朝方の足利(斯波)高経(あしかがたかつね)とこの地で戦ったとされる。
畑時能と言えば、3月に登った高須山(438m)ゆかりの武将で、【日本版スリーハンドレッド】というべき猛将。
さらに畑氏といえば、前述の水銀精錬技術を伝えたとされる秦氏の末裔とも言われているので、畑氏と丹生・乙坂山は不思議な縁で結ばれているのかも知れない。

また登山者が設置したと思われる別の看板によると、昨年(H24)10月に、ここで体長約1.4mの鹿と遭遇したらしい。
近年県内でも以前はあまりいなかった鹿の目撃情報が増加。
イノシシ同様、新たな食害がなければいいのだが・・・

ここで昼飯にしようかとも思ったが、2座目で取ることにし、出発(10:33)
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下りは神社コースで周回しよう。急坂というのが気になるが・・・

神社コースに入るすぐのところにあった大きな穴
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山城の堀切? それともイノシシの沼田場かな?

監視小屋(哨)跡
IMG_4620.jpg
別の穴のところにあった説明によると、これは乙坂山武生13番監視小屋の跡らしく、第二次大戦中、ここから敵の飛行機を監視し、本部のあった武生市役所との間を電話連絡していたそうだ。

確かにゆるやかコースより急だが、階段が設置されているので歩き易い。
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ところで右の靴の中がチクチクする。小石でも入ったかな?

10:38 旧道分岐(標高約210m)
IMG_4622.jpg
右に行くと、先ほどの中郷の水から登ってくる旧道へ。経験者向きと書いてあるので、直進する。

しばらく下っていくと、先方に少し小高く広くなった場所にでる。
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どうやらここも山城の郭だった場所のようだ。

木々の紅葉はイマイチだったが、足元はご覧の通り。
IMG_4625.jpg
足の裏のチクチク感が気になるが、下山するまで我慢しよう。

郭跡を過ぎると、神社コースの急坂に差しかかる。
IMG_4626.jpg
急坂は階段になっているのだが、踏面が斜めになっており、しかも落ち葉が降り積もっているため、かなり滑り易くて怖い。このコース、本当は下りより登りの方がいいかも。

林道出合直前には、このコース唯一のロープ場もあった。
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林道から東側の眺めが素晴らしく、頂上からは望めなかった白山連峰がくっきり。
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落ち葉に埋もれた登山道を下っていくと、前方に神社の屋根が見えてきた。
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11:00 神社コース登山口(標高約49m)
IMG_4634.jpg
下りは22分。結局ハイク中、誰とも遭わなかった。

大洗磯崎神社にて、無事ハイクさせていただいた御礼参り。
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茨城県にある大洗磯前神社と関連があるらしい。

境内の石段に座り、靴の中の小石を取ろうと振ってみるが、石は出てこない。
あれ? おかしいな~??
靴の中を手で探ってみると、何やら固いモノが突き出ている。
靴を裏返して底を見てみると、なんと、古釘が刺さっていた!
IMG_4636_20121127204538.jpg
お~怖っ! 
刺さり具合が浅かったから良かったものの、急坂の階段でもう少し勢いよく降りていたら、足の裏に刺さっていたかも。改めて神社に御礼参りする(笑)

車を停めた駐車場へ戻り、2座目の山へと向かう。

乙坂山(289m)
標高差261m
登り 40分、下り 22分、TOTAL 1時間25分


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Comments 5

木下龍雄  

honnguu

乙坂山の会の木下です。ブログ「よたよた山歩き」乙坂山編、楽しく読ませていただきました。ご意見参考にさせていただきます。一つお聞きしたいのですが、三角点の写真の説明に「本宮山」と有りましたが、どこで(本等)お知りになったか、教えて頂けないでしょうか?当会で「本宮山」の由来調査中です。よろしくお願いします。

2013/02/12 (Tue) 17:56 | EDIT | REPLY |   

木下龍雄  

乙坂山の会の木下龍雄です。
「よたよた山歩き」いつも楽しく読ませて頂いています。乙坂山編、ご意見、参考にさせていただきます。一つお聞きしたいのですが、三角点の説明文の中で、「本宮山」と有りますが、どこでお知りになったか、(本等)教えてください。当会でも「本宮山」の由来調査中です。よろしくお願いします。

2013/02/12 (Tue) 18:09 | EDIT | REPLY |   

よっし~  

点名「本宮山」について

木下龍雄様 はじめまして

当ブログにお越し下さいましてありがとうございます。
ご質問の乙坂山山頂の二等三角点「点名:本宮山」の出自ですが、私は下記のHPを参考にしました。

国土交通省国土地理院HP
基準点成果閲覧サービス
http://sokuseikagis1.gsi.go.jp/

このHPでは地図上に全国の三角点や基準点が表示され、三角点部分にマウスポインターをもっていくと、基準点コードや等級、点名などが表示されます。
乙坂山のところに合わせたら、点名が「本宮山」とあったので参照しました。

木下様のお求めになられているのは、なぜ点名が「本宮山」になったのか?ということを知りたいのかと思いますが、生憎当方はこれ以上は存じておりません。
点名の由来については、当基準点の「点の記」の備考などを参考にするしかないかと思われます(由来が載っていない可能性もあり)。

あまりお役に立てずにすみません。

でも乙坂山とてもいい山なので、また登ってみたいと思います。



2013/02/12 (Tue) 20:33 | EDIT | REPLY |   

木下龍雄  

「本宮山」の出自hannmei

長い間ご無沙汰しました。その後の調査をお知らせします。明治36年三角点設置するとき旧名「本宮山」を残したい為かこの地の近藤さんが名付けたようす。又、最近発見された「江戸時代の古地図」には乙坂山ではなく本宮山と表示されていました。又山頂より西側に本宮堂の記載があり、行って視ると磐座のようです。忍坂大中姫と関係あるかも知れません。
(国土地理院の2500地図で卍の印あり)

2015/08/02 (Sun) 15:14 | EDIT | REPLY |   

よっし~  

Re: 「本宮山」の出自hannmei

木下龍雄様、ご無沙汰しています。
コメントありがとうございます。

乙坂山の点名、そのような由来があったんですね。
その努力と執念、本当に頭が下がります。
こういった先人たちの想いを後世に伝えていきたいですね。

2015/08/02 (Sun) 17:26 | EDIT | REPLY |   

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