日帰りハイク復活 白山(2702m)
例年数回は登ってきた白山。

だが近年は室堂にすら辿り着けないほど体力が激落ちし、もう日帰りでは厳しいと自覚。
昨年1泊2日の小屋泊でなんとか登拝し、白山登り納めにするつもりだったが、山頂からの神々しい御来光を遥拝し、また日帰り登拝を復活させようと決意する。
少しずつ体力改善を図り、以前ほどのパフォーマンスは期待できないが、なんとか日帰り登拝が可能な程度に回復してきたつもり。
県境を跨いだ移動自粛も解除され決行日を模索していたが、マイカー規制がなく行動時間が一番長く確保できる夏至直後の今がベストタイミング。
当初昨日登るつもりだったが、山頂部は風速10m/s以上の強風で登山指数C。
翌日は登山指数Aだったので、有給休暇を申請し決行することに(笑)

早起きする自信がなかったので、道の駅恐竜渓谷かつやまで車中泊。

九頭竜川沿いの勝山市荒土町松ヶ崎にあり、6月20日にオープンしたばかり。
中部縦貫道(無料)勝山ICから近く、コンビニも隣接しているので便利。
いつも駐車している特設駐車スペース(標高約1230m)は閉鎖中。

仕方なく本来の駐車場へ。
4:30 別当出合駐車場(標高約1210m)

駐車場は上下2段になっており、かろうじて上段に停めることができた。
登山口まで距離約450m、標高差約50mのウォーミングアップ開始(4:50)

以前はもっと幅の狭い登山道だったが、拡幅され石段も整備されて歩き易い。

8年近く歩いていないので知らなかった(笑)
5:00 別当出合登山口(標高約1260m)

まずは登山届をしっかり記入し提出。

白山では2017年から登山届の提出が義務化されている。
新型コロナ感染拡大防止で、室堂の春山営業は休止中(6/29まで)

なお6/29まで白山荘(自炊棟)が避難小屋として開放されている。
ドーピング剤も忘れずに摂取。

またOPP対策でトイレ(大)に行ったら、和式だった便器が洋式に変わっていた。
和式の方が接触せず、ふん張れるので良かったのだが、これも時代の流れなのかな?
準備を済ませ登拝開始(5:18)

今日の室堂までの目標CTは、標準CT(4時間)の1.5倍の6時間。
昨年はもっとゆるゆるで2倍の8時間だったにもかかわらず、8時間40分もかかってしまう不甲斐ない有様だった。
今回もどうなるか分からないが、12時までに室堂に着けない場合、引き返すつもり。

万一そうなっても、野草を鑑賞するだけでも良しとしよう。
サイハイラン(采配蘭)

ラン科サイハイラン属の多年草。
6:11 中飯場(標高約1550m)

ここまで53分と昨年(71分)より18分改善。トイレと水場が利用可能。
この先の甚之助避難小屋はまだ水場が設置されていないので、補給はここで。
ツクバネソウ(衝羽根草)

シュロソウ科ツクバネソウ属の多年草。
ササバギンラン(笹葉銀蘭)

ラン科キンラン属の多年草。通常ギンランは葉より花序が高くなるが、ササバギンランは花序より葉が高い位置にくるか同じ高さとなる。
ゴゼンタチバナ(御前橘)

ミズキ科ミズキ属ゴゼンタチバナ亜属の多年草で、白山の主峰御前峰に由来。
クルマバソウ(車葉草)

アカネ科アカネ亜科ヤエムグラ属の多年草。車輪状に輪生する葉の形状に由来。
サンカヨウ(実)(山荷葉)

メギ科サンカヨウ属の多年草。この付近はほぼ結実していた。
エンレイソウ(実)(延齢草)

ユリ科エンレイソウ属の多年草。別名はタチアオイ。
タニウツギ(谷空木)

スイカズラ科タニウツギ属の落葉小高木。
オオバミゾホオズキ(大葉溝酸漿)

ハエドクソウ科(旧ゴマノハグサ科)ミゾホオズキ属の多年草。
ニリンソウ(二輪草)

キンポウゲ科イチリンソウ属の多年草。
ハクサンチドリ(白山千鳥)

ラン科ハクサンチドリ属の多年草。
7:14 別当覗(標高約1750m)

ここまで1時間56分と個人的にはまずまず。途中後続のT○さんたちに道を譲る。
ズダヤクシュ(喘息薬種)

ユキノシタ科ズダヤクシュ属の多年草。喘息(ぜんそく)の咳止薬だったことが由来。
キヌガサソウ(衣笠草)

シュロソウ科キヌガサソウ属の多年草。別名は鉄人草(大ウソ) 本当はハナガサソウ(笑)
白い花弁に見えるのは萼片で、放射状の葉と同じ数なのが特徴。

サンカヨウ(山荷葉)

完全なシースルーじゃなく、レース編み状態でチョット残念(笑)
例年7月中旬頃まで雪渓が残る旧高飯場下も残雪はこれだけ。

8:14 甚之助避難小屋(標高約1975m)

ここまで2時間56分と、昨年(4時間12分)より1時間以上改善。
別山(2399m)方面には早くも雲がかかっていた。

黒ボコ岩は望めたが、その上空にも厚い雲。

う~ん、マズイ予感…
行動食と追加ドーピングで燃料補給。

休憩していると昔の同僚と偶然再会。
さて後半戦も頑張ろう(8:32)

9:04 南竜分岐(標高約2100m)

だいぶ雪解けが進んでいるが、この先には雪渓トラバースが待ち構えている。

ショウジョウバカマ(猩々袴)

メランチウム科ショウジョウバカマ属の多年草。
最初のトラバース箇所が見えてきた(9:29)

ステップが切ってあるのでツボ足でも問題ないが、下りはポールがあった方がベター。

言い忘れたが、今日はスパイク長靴で登っている。
リュウキンカ(立金花)

キンポウゲ科リュウキンカ属の多年草。
ミヤマガラシ(深山芥子)

アブラナ科ヤマガラシ属の多年草。
前方に十二曲がりと黒ボコ岩が見えてきた(9:44)

ミヤマダイコンソウ(深山大根草)

バラ科ダイコンソウ属の多年草。
ツガザクラ(栂桜)

ツツジ科ツガザクラ属の常緑小低木。花は同じツツジ科のアカモノに似ているが、葉の形状で区別。
十二曲がり手前のトラバース地点。

雪渓手前の登山道が細かい落石で埋まってザレているので注意。
キバナノコマノツメ(黄花の駒の爪)

スミレ科スミレ属の多年草。
ミヤマキンポウゲ(深山金鳳花)

キンポウゲ科キンポウゲ属の多年草。
コイワカガミ(小岩鏡)

イワウメ科イワカガミ属の常緑の多年草。
ミヤマタンポポ(深山蒲公英)

キク科タンポポ属の多年草。
リュウキンカ(立金花)

キンポウゲ科リュウキンカ属の多年草。
この一帯はリュウキンカ天国だった。

延命水

この付近に直前の先行者が落とした靴底のソールがあり、拾って持っていく。
10:18 黒ボコ岩(標高約2320m)

スタートからジャスト5時間で、目標の6時間以内はどうやら確実。
ソールは休憩していた持ち主に無事返還することができた(笑)
弥陀ヶ原に進むと、前方にはガスがかかっていて御前峰は見えず。

登っていく間に取れてくれるといいのだが…
10:37 五葉坂下(エコーライン合流点)(標高約2354m)

最後の関門、五葉坂が立ちはだかる。
11:03 白山室堂(標高約2450m)

タイムは5時間45分と目標(6時間)をクリア。昨年(8時間40分)と比べると、3時間近く短縮と劇的改善。もっとも普通のハイカーならとっくに山頂に行って戻っているタイムですが(笑)
昨年建設中だった新しいトイレはほぼ完成。

早速使わせて貰おうするもまだ最後の仕上げの段階で、利用開始は7月1日からのようだ。
またセンターの中を通って反対側に向かおうとするも、立入り禁止。

売店・食堂も休業中で、こちらも営業開始は山開きの7月1日から。
センターを回り込んで奥宮側に進むと、ガスで御前峰は全く見えず。

残念だな~ 山頂に行きたかったのに…(ウソ)
まずは腹ごしらえ。

本当は食堂でラーメンでも食べようと思っていたのだが、休業中で食えず終い。
まったりしていると、ガスが取れてきた。

せっかく山頂に行かなくてよい口実ができたのに(笑)
意を決して山頂に向かう(11:48)

せっかく向かうんだから、もう少しこのまま晴れていてくれ~

12:12 青石(山頂まで残り750m)

12:24 高天ヶ原(山頂まで残り500m)

この先で下山してきたT○さん御一行とすれ違う。あれ?意外と遅い下山ですね。
奥宮にて無事登拝させていただいた御礼の参拝。

12:56 白山御前峰山頂(標高2702m)

室堂から1時間8分。山頂には誰もいなかった。
登頂記念の三角点(一等・白山)タッチ。

予報通り風はそれほどなく、大汝峰(左)と剣ヶ峰(右)は望めたが、

北アルプス方面は厚い雲の中。

別山も全く見えず。

もう少し居たいところだが、時間も遅いので下山開始(13:07)

降りる直前にオコジョくんが出てきたのだが、カメラを構える前に岩場に隠れてしまった(涙)
だいぶ足に疲労が溜まり始めており、膝を傷めぬよう慎重に降りていく。

13:46 白山室堂(標高約2450m)

下りは39分。大多数の日帰り組は下山し、人影はまばら。
センター付近では山開きに間に合わせるべく、職人さんたちが奮闘中。

携帯キャリアのS社とA社の方が臨時基地局を開設中だった。伺ったところ雪深いため常設できず、毎年山開き前と小屋じまい前の計2回登ってきて、設置と撤去をされるそうだ。ご苦労様です。(なおD社は光ケーブル回線利用のWi-fi接続で通話可能)
水を補給して下山開始(14:03)

以前は3時間かからずに降りられたが、今の状況だと目標4時間が妥当な線。
日没(19:16)が遅く、最終バスの心配もないので、焦らず慎重に降りていく。

気持ちイイな~

背後を振り返り、御前峰にお別れ。

いっぱい遊ばせていただきありがとうございました。また登りにきます。
14:26 黒ボコ岩(標高約2320m)

下りも砂防新道へ。
15:10 南竜分岐(標高約2100m)

15:30 甚之助避難小屋上部広場(標高約1980m)

小屋前のベンチが埋まっているのが見えたので、先代の避難小屋跡の広場で小休止。
この日別山は一度もお顔を見せてくれなかった。

休憩していると、登山ショップ遊山行のうささんから声を掛けられる。今日は白山行きのため臨時休業されたそうだ(笑)
ソクズ(蒴藋)

スイカズラ科ニワトコ属の多年草。古名のクサタズが転訛。別名はクサニワトコ(草接骨木)
16:53 中飯場(標高約1550m)

ここで最後の小休止。
足がかなり悲鳴を上げており、明日以降猛烈な筋肉痛に襲われそうで怖い…

17:51 別当出合登山口(標高約1260m)

下りは3時間48分。18時前に降りることができた。
ご褒美のコーラでクールダウン。

う、うめぇ~
18:06 別当出合駐車場(標高約1210m)

残っていた車は4台ほどだった。
久しぶりの12時間を超える行動時間ですっかりお腹ペコペコ。
コウちゃんのお店に向かうも、19時台なのに閉っていた。また勝手に早仕舞?(笑)
仕方なく某かつ専門店で期間限定の全力大人飯(チキンカツカレー)でエナジーチャージ。

大盛にしたけど、個人的には普通盛でした。
(この日の行程)
4:30別当出合駐車場
5:00別当出合登山口5:18
6:11中飯場(小休止)6:17
7:14別当覗(小休止)7:20
8:14甚之助避難小屋(小休止)8:32
9:04南竜分岐
10:18黒ボコ岩(小休止)10:27
11:03白山室堂(昼食)11:48
12:56白山御前峰山頂(小休止)13:07
13:46白山室堂(小休止)14:03
15:30甚之助避難小屋(小休止)15:40
16:53中飯場(小休止)17:08
17:51別当出合登山口
やっぱり、山っていいね!
白山(2702m)(砂防新道)
標高差1442m
登り 5時間45分、下り 3時間48分、TOTAL 12時間26分
今年1回目、通算35回目
出会った人 120人ぐらい(T〇さん、STさん、うささん他) 出会った動物 オコジョ
2020年:38座目
☆☆☆ランキング参加中です。☆☆☆


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