クラシックルートで上高地へ ①島々~岩魚留小屋

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Byよっし~

2018年9月24日(月・振替休日) 晴れ時々曇り一時小雨

僕の前に道はない
僕の後ろに道は出来る

ああ、自然よ
父よ
僕を一人立ちさせた広大な父よ
僕から目を離さないで守る事をせよ
常に父の気魄(きはく)を僕に充たせよ
この遠い道程のため
この遠い道程のため


『道程』(高村光太郎)より。

1913(大正2)年に島々谷から上高地を訪れた高村光太郎は、翌年この「道程」を発表。
昔、国語の授業でこの一節を暗唱させられたので、今でも覚えています。


1泊2日で歩く上高地クラシックルート(徳本峠越え)
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昭和初期までは上高地へのメインルートで、ウォルター・ウェストン高村光太郎・智恵子夫妻芥川龍之介などもこの道を通って上高地を訪れた。

距離約23.3km累積標高差↑2253m↓1468mに及ぶロングコースで、しかも徳本峠までは距離約16km累積標高差約1400mと、槍ヶ岳槍沢コースと遜色のないハードなコース。
亀足が加速しているヘタレな私が、果たして歩けるのか?

プラン決定まではコチラ
クラシックルートで上高地へ プロローグ

まずは島々宿から岩魚留小屋までをご紹介していきます。
 
前日、R158、東海北陸道から安房トンネルを経て松本市島々地区へ(23:49)
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R158沿いの安曇支所(旧安曇村役場)で車中泊zzz

うわ~ 寝坊した!(5:30)
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予定では5時30分に出発する予定で、4時30分と5時にアラームをセットしていたのだが、一旦起きるも二度寝。秋分を過ぎたせいか日の出(5:44)が遅く、4時台ではまだ真っ暗だった。

朝食を食べながら、プランを再確認
classicroute_hike_timetable02.png
6時に出発すると徳本峠小屋到着は16時40分の予定。日の入り(17:50)には間に合うが、2000m級の山々に囲まれたゴルジュで暗くなるのも早く、早出早着が大原則の山小屋ではお小言を言われそうな到着時間。
幸い小屋を予約する際に、「亀足なので16時過ぎの到着になります」と伝えてあったので、なんとかペースを上げて到着を早めるしかない。

この日駐車場でイベントが開催されるらしく、登山者向けの注意書き。
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昨夜は気付かなかったので、斜線部分に車を移動する。

一画にあるトイレでOPP対策を済ませ、ドーピング剤も忘れずに摂取。
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クラシックルートの登山届安曇警察官駐在所に提出。
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長野県登山安全条例に基づく指定登山道で、登山届提出と登山装備が義務付け。
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自宅で作成してきた届を投函する。

登山口を目指し、島々地区内の路地を進んでいく。
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島々宿は往時は飛騨道(野麦街道)の宿場として栄え、W・ウェストンを上高地に案内した名ガイド上條嘉門次翁もこの地で没した。

6:05 島々宿登山口(標高約745m)
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獣除けのゲートがあり、閂とチェーンで施錠されているので、通過後は元通りに。

なんか情報が盛りだくさん過ぎて、知らせたい情報が埋没する典型例のような感じ。
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こんだけ多いと誰も読まないのでは?

まずは二俣までの6.3kmを歩いていく。
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島々宿~二俣(6.3km) 標準CT:2時間 目標CT:2時間20分
classicroute_01.png
二俣までは島々谷川沿いの林道を歩いていく。

距離こそあるが、標高差は僅か180mしかない。
classicroute_01elevation.png
30分の遅れを挽回すべく、この区間でどれだけタイムを稼げるかが重要になってくる。

6:11 島々宿登山口駐車場(標高約750m)
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実はここまで一般車が進入可能で、7台ほど停まっていた。
今回帰りがバスで安曇支所前下車なので、降りてすぐでトイレもある支所を利用させてもらった訳。

駐車場から先は一般車両は通行止め
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幅員5mほどの林道(未舗装)を島々谷川沿いに登っていく。
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途中何人か岩魚釣りをされていたので、先ほどの車の方なのだろう。

左手に島々谷発電所(東京電力)が見えてきた(6:29)
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運用開始は1938(昭和13)年で最大出力は2700kw。

路傍にあったお地蔵様
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足を止め、ハイクの安全を祈願する。

時折、後ろから地元の方と思しき車が通行するのでご注意を。
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一般車両禁止といっても地元の方はOKのようだ。

所々で見かける祠や石仏が歴史を感じさせてくれる。
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何度か橋を渡りながら、林道を進んでいく。
DSCN4215_20180926183639ee6.jpg

途中にある巨大な砂防ダム
DSCN4216_20180926183640db8.jpg

7:13 最終ゲート(標高約875m)
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手前に1台、追い越していった車があった。あれ?残りの車は・・・

ゲートにあった徳本峠方面通行止の貼り紙。
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今年7月の集中豪雨で二俣手前の林道で大規模な崩落が発生し、車は通行不能。
これは国交省松本砂防事務所が設置したもので、マークは登山者も含めての規制だが、主に車両向けの告知だそうだ。事前に小屋に通行可能か確認しており、直近のレポ等でもみなさん通行しているのでそのまま通過。
砂防事務所も「登山者は自己責任で通過して下さい」と追記してくれればいいのに、小屋の方の話ではお役所仕事で、定型文以外の記述はできないからだそうだ。

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最終ゲートから30分ほど進むと、3台の軽トラが駐車(7:49)
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すぐ先には崩落した大量の土砂が林道を埋め尽くしていた。
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ここが先ほど告知されていた地点のようだ。

もちろん車は通行不能だが、登山者は注意して進めば問題なし。
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急峻な沢の上部まで土砂で埋め尽くされているので、復旧にはかなり時間がかかりそう。

7:57 戦国落人悲話の碑(標高約920m)
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戦国期に飛騨国を治めていた三木(姉小路)氏は、賤ヶ岳の戦いで佐々成政と通じて秀吉軍と敵対したため、金森長近の追討を受け居城松倉城が落城。最後の当主三木秀綱は奥方と別行動で信濃に逃げるも、捕縛され自害。奥方は徳本峠を越えて二俣付近まで逃げてきたが、杣人に捕まり非業の最期を遂げたとされる。合掌

この戦国落人悲話を民俗学者で歌人でもある折口信夫(釈迢空)が数首詠んでいる。
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上高地入りの途次ことにかかり
をとめの子の心さびしも清き瀬に
身は流れつつ人恋にけむ


石碑の先で道が二手に分かれるが、二俣方面はへ。
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右の橋の先には二俣トンネルがあったが、どうやら北沢方面に進むようだ。

二俣の取水場が見えてきた。
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8:00 二俣(標高約925m・徳本峠まで残り9.7km)
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タイムは1時間55分と標準CT通りで、目標CTより25分も挽回。
ここには公衆トイレがあり、この先徳本峠までないのでご注意を。

平坦な林道だったとはいえ、予想より25分も早く着くとは…
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水分等を補給した後、次の中間ベンチを目指す(8:08)
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ここから先は登山道になる。

二俣~中間ベンチ(2.6km) 標準CT:1時間30分 目標CT:1時間50分
classicroute_02.png

距離約2.6kmで、単純標高差は150mしかないが、序盤にいやらしそうなアップダウン。
classicroute_02elevation.png
どうやら高巻きするようだ。

看板の後にあるのは、独特の樹形のあがりこサワラ(椹)
DSCN4235_20180926183805a22.jpg
人間が薪用に幹を伐採することで、切り口から新たな芽が生え、幹が広がってこのような形が生まれるそうだ。

うん? 何やら背後に気配を感じる クマ?

気配の正体はソロの男性だった。
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地下足袋で足音を立てず、スッとスリップストリームに入ったのでビックリした(笑)
どうやら松茸採りらしく、スタスタと登ってあっという間に見えなくなってしまった。
やはり松茸採りは他人に見つからないように、細心の注意を払うのだろう。
先ほどの軽トラも同じように松茸採りなのかも。

高巻き部分が終わり、登山道はなだらかになる(8:13)
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ここにも三木秀綱夫人受難の碑があった(8:21)
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もしかするとここで最期を遂げたのかも。

所々木道が設置されていて、よく整備されている。
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8:24 行き橋(標高約950m)
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高欄干の木橋を渡って左岸へ。

ダイモンジソウ(大文字草)
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ユキノシタ科ユキノシタ属の多年草。ほとんど花が終わっていた。

8:35 標識(←岩魚留小屋4.3km・二俣0.9km→)
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二俣から0.9kmということは、中間ベンチまで残り1.7km。

8:38 戻り橋(標高約980m)
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今度は右岸へ戻る。こちらには欄干はなかった。

道幅はあまり広くないが、南沢沿いを気持ち良く進んでいく。
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8:42 炭焼き窯跡(標高約995m)
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説明板によると、昭和21~28年頃に使われていたそうだ。
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人が入れそうだが、私にはチョッと無理っぽい(笑)

しばらく進んでいくと、前方に大きな崩落個所(8:56)
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ここまでもいくつか崩落個所があったが、ここが一番大きく完全に登山道を塞いでしまっている。崩落した斜面を高さ10mほど高巻きし通過する。

”僕の前に道はない 僕の後ろに道は出来る”
大きな危険はないが、路面が緩く傾斜もキツいので、滑落しないようにご注意を(笑)

9:01 標識(←二俣1..9km・徳本峠7.8km→)(標高約1045m)
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ここが島々宿~徳本峠間のほぼ中間地点だが、ここまでの獲得標高はまだ300mほどで、全標高差(1400m)の2割しかない(大汗)

小さな沢をいくつか渡渉していく。
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ここなどは靴を濡らしながらの渡渉となる。
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9:26 中間ベンチ(標高約1070m・徳本峠まで残り7.1km)
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二俣から1時間18分で、目標CT(1時間50分)はおろか、標準CT(1時間30分)よりも早く到着。

これでトータルで40分近く稼ぎ、30分遅れのスタートを挽回
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なんか順調すぎてチョッと不安です(笑)

追加ドーピングをチャージしてスタート(9:36)
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中間ベンチ~岩魚留小屋(2.6km) 標準CT:1時間30分 目標CT:1時間50分
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この区間も距離約2.6kmで、標高差は190mと少ない。
classicroute_03elevation.png

この調子で頑張ろう!
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9:49 瀬戸下橋(標高約1070m)
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豊かな水量が流れる島々谷川南沢
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マイナスイオンが溢れていて、お肌にも良いんですよ、奥様(笑)

沢が狭まった箇所は高巻きして登っていく。
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階段も設置されていて、整備された関係者には感謝です。
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10:03 離れ岩
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10:05 瀬戸上橋(標高約1120m)
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最近再整備されたようで、それ以前は丸太橋だったようだ。
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整備されているのと絶景のおかげで、貧脚の私でも歩き易くタイムが良いのだろう。
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ウェストンもこう述べている。

徳本峠を越える道は、昔なじみの道であるが、
過去20年間にその状態は大きく改善され、外見は新しくなっていた。
しかし幸いなことに、ロマンティックなゴルジュの美しさ
少しも衰えていなかった。


『日本アルプス再訪』 (ウォルター・ウェストン著、水野勉訳)より

ウェストン翁、今でもロマンティックなゴルジュの美しさは健在ですよ(笑)

10:24 標識(↑岩魚留小屋1.4km・二俣3.8km↓)(標高約1160m)
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高巻きする箇所が増えてきた(10:38)
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ここまでですれ違ったハイカーは2人組の2組だけ。
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一方後続のハイカーは一人もいなかった。

10:56 ワサビ沢橋(標高約1240m)
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もうそろそろ岩魚留小屋かな?

11:09 岩魚留橋(標高約1250m)
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橋の先に岩魚留小屋が見えた。
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クラシックルートで上高地へ ②岩魚留小屋~徳本峠小屋につづく…


やっぱり、山っていいね!


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