歴史浪漫てんこ盛りの後瀬山(225m)

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Byよっし~

2018年5月25日(金) 快晴

チョッと食べ過ぎたので、腹ごなしにこの山へ。

後瀬山(のちせやま)
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標高200mほどの里山で、あまりポピュラーな山ではないが、R27で舞鶴方面に向かう際に最初のトンネルがある山だと言えば分かる方もいるかも。
実は古くから歴史に登場する由緒ある山で、万葉集にも歌われているほど。
編者とされる大伴家持(おおとものやかもち)の従妹で、のちに正妻となる大伴坂上大嬢(おおとものさかのうえのおおいらつめ(おほをとめ))が歌った歌が、


 かにかくに 人は言ふとも若狭道(ぢ)の 後瀬の山の後も逢はむ君
                  巻四(737) 大伴坂上大嬢
 
(意味)
 いろいろと人は言うとしても、若狭道の後瀬の山のように
 この後も愛しい貴方にお逢いしたいです。

そしてこの歌に対する家持の返歌が、

 後瀬山 後も逢はむと思へこそ 死ぬべきものを 今日(けふ)までも生けれ
                       巻四(739) 大伴家持
 
(意味)
 この後も貴女に逢いたいと思うからこそ、恋の苦しさから死んでしまいたい
 ところを、
今日までも生きてきたのです。
※後瀬山は”後に逢はむ”を連想させる歌枕。なお県内では他に青葉山や三方の海(三方五湖)も歌枕になっている。
 
13:40 後瀬山神明神社コース登山口(標高約24m)
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R27の後瀬山トンネルを抜けて最初の信号を左折してすぐ。
5台ほどの駐車スペースがあるが、現在資料館建設中による工事車両等で利用不能
邪魔にならなさそうな場所に路駐させていただく。

ほかにも北東麓側の愛宕神社コースや、南西麓側の湯岡コースがある。
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今回は神明神社コースで登り、愛宕神社コースで降りる縦走プラン

神明神社
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祭神は天照皇大神、豊受姫命、豊受皇太神。
境内には摂社として八百比丘尼伝説に関連する八百姫(やおひめ)神社がある。

八百姫神社の脇から登山道となる(13:44)
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ここから後瀬山山頂までの標準CTは1時間。

内宮
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玉椿社
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所々に平坦地があり、説明の標識がある。
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外宮
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絵巻もあり、往時はかなり隆盛を誇ったようだ。

里山だとナメていたが、ロープ場もあり結構急斜面が続く(汗)
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天の岩戸
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どうやら天照大御神や豊受大御神を祀る伊勢神宮を模しているようだ。
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天の岩戸から稜線となり、なだらかになる。
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このような看板も設置されていてありがたい。
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麓は30℃を超す真夏日で、セミの鳴き声も聞こえてきた。
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まだ5月なんですが・・・

14:08 展望広場(下)(標高約145m)
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ここは広場というより、登山道の一部といった感じ。水分補給を兼ねて小休止。

展望が開けているのは北側のごく一部だけ。
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14:25 展望広場(上)(標高約195m)
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ここも木々が邪魔をして、眺望は一部のみ。
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14:27 小ピーク(愛宕神社・湯岡コース分岐)(標高約200m)
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ここで道が二手に分岐。左手が後瀬山城跡を経て愛宕神社へ、右手が山頂を経て湯岡に至る。

山頂に向かうべく、湯岡コースへ。
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なお標識には湯岡とあるだけで、山頂とは記されていないのでご注意を。

山頂へ向かう道は概ねなだらかで、迷い易い箇所には標識やペイントもある。
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14:39 電波中継所
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一見山頂と間違い易いが、山頂はもう少し先。

19:43 後瀬山山頂(標高224.9m)
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タイムは珍しく標準CT通り(笑)

ここには三角点(三等・琴嶺)があるが、
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周囲が木々に覆われているため眺望はゼロ。
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先ほどの標識に記されていないのもこのためなのかも。

湯岡コースで下山という手もあるが、後瀬山城址に寄りたいので引き返す(14:52)
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15:04 小ピーク(神明神社・愛宕神社コース分岐)(標高約200m)
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小ピークに戻り、今度は右手へ。

若狭の守護大名だった若狭武田氏(安芸武田氏の嫡流)の居城、後瀬山城があった。
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現在の領主はイノシシくんのようだ(笑)
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15:14 後瀬山城本丸跡(愛宕神社本殿)(標高約170m)
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若狭武田氏第6代の武田元光により築城された若狭最大級の山城。
現在は廃城後に勧進された愛宕神社本殿と東屋(拝殿)が建てられている。

一時は丹後国の一部まで支配下に治めるほど隆盛を誇った若狭武田氏だが、近隣の戦国大名の台頭や家督争いなどにより次第に勢力を失い、第9代元明の時代に朝倉氏の侵攻により領国を失う。

朝倉氏滅亡後は丹羽長秀が城主となり、大規模な改修が施され、
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現在残る石垣等はこの時期のものといわれている。
元明は長秀の与力(若狭衆)として知行(3000石)を得ていたが、本能寺の変で領地回復を目論み、長秀の佐和山城を陥落させるも、山崎の合戦での光秀敗北により、秀吉方に謀殺(自害とする説も)され若狭武田氏は滅亡する。

その後関ヶ原での論功行賞で若狭一国を与えられた京極高次が入城したが、
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標高が高く、土地が狭小のため、1601年に北川・南川河口に小浜城の築城に着手。
築城中(1634年)に京極氏は出雲松江藩に転封となり、徳川譜代の酒井氏が入城。
小浜城の完成(1641年)とともに、翌年に廃城となった。

登ってきたソロの男性と入れ違いで下山開始(15:20)
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ここはかつての大手道で、脇には郭(曲輪)だった平坦地が連なる。

急な箇所には木製の階段も設置されている。
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鳥居が見えてきた。
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15:37 後瀬山愛宕神社コース登山口(標高約3m)
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下りは45分。ここにも数台分の駐車場がある。

車を停めた神明神社に戻るには後瀬山トンネルを通った方が早いのだが、
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小浜市街の古い街並みを散策しながら戻ることに。

八幡神社
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若狭国の国府八幡宮で、奈良時代後期の創建とされる。
祭神は応神天皇、神功皇后、宗像三神(多紀理比売神・多紀都比売神・市伎島比売神)で、学問、産業振興、海上交通安全、安産・子育てにご利益があるとされる。

9月開催される方生(ほうぜ)祭は300年の伝統を持つ若狭エリア最大の秋祭りで、
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旧小浜市街地の全24区が隔年交代で、神輿、山車、大太鼓、神楽、獅子の5種類の伝統芸能を演じ、福井県の無形民俗芸能に指定されているそうだ。

空印寺(くういんじ)
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男山区にある曹洞宗の寺院で、本尊は馬頭観音。

若狭武田氏の平時における邸宅だった若狭守護館跡の一画にあり、
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酒井氏入城後は酒井家の菩提寺となる。

八百比丘尼伝説(やおびくに、はっぴゃくびくに)
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人魚の肉を食べてしまったために不老不死となった娘が、連れ添った夫に何度も先立たれ、出家(比丘尼)して全国を行脚するという伝説は日本各地に残るが、その終焉の地がここ小浜の空印寺とされる。
なおこの看板、顔のところが開く撮影看板で、やってみようかと思ったが不評を買いそうなので自粛(笑)

八百比丘尼入定窟
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晩年、先ほどの神明神社(八百姫神社)に仕えていたが、
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齢800歳になったのを機にこの岩窟に入り入定したと伝わる。

空印寺を後にし歩き始めると、どこからか「おにいさん、チョッと助けて!」との声。
うん?なんだ? 声をする方に視線を移すと、老婆が自宅前の道路で座り込んでおり、足腰が悪く自力では立てないらしく、玄関まで介助して欲しいとのことで、背後から抱きかかえて、玄関内まで連れていく。この方はもしかして八百比丘尼の化身なのかな?(笑)

後瀬山はあの枕草子第十三段「山は~」にも記されている。
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 枕草子第十三段 
 山は、小倉山。かせ山。三笠山。(中略)いつはた山。かへる山。のちせの山 
  

なお参考までに、いつはた(五幡)山は敦賀市、かへる(帰)山は南越前町にある山で、ともに古くから北陸道を歩く旅人に詠まれた山で、大伴家持、紫式部、藤原定家、松平春嶽なども詠んでいる。
五幡山(428.7m)には登山道(巡視路)があり、県道209のウツロギ峠(車両通行不能)から片道約1時間。
かへる山は諸説あるが、鹿蒜(かひる)道の地名等から木ノ芽山地が有力と思われる。

この道はかつて若狭と丹後を結ぶ主要道だった丹後街道だった。
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小浜線のガードを潜った先にあったこのスポット。
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瀧の水というそうで、
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かつて京都天竜寺の僧、策彦周良(さくげんしゅうりょう)が中国(明)に渡る際に、この名水で醸した酒を持参したところ、年を経ても全く味が変わらなかったとされる。

明日のハイクに備えて、水を汲ませていただく。
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常高寺(じょうこうじ)
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臨済宗妙心寺派の寺院で、2011年の大河ドラマ江~姫たちの戦国~で脚光を浴びたスポットで、訪問は3度目。

浅井三姉妹の次女で、従兄の京極高次の正室となったお初(常高院)が祈願し建立。
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常高院墓所でもあり、遺言により京極家が国替えになった際も小浜の地に残された。
なお京極家は二代忠高の後、嫡流が途絶え改易されかかったが、将軍家縁戚(叔母が秀忠正室のお江の方、正室が秀忠四女の初姫)の家系ということで大名存続を許された。
そりゃ三代将軍家光も、自分の従兄で、姉の嫁ぎ先は簡単に潰せないでしょう。

R27に合流してしばらく進み、車を停めた神明神社に戻る(16:19)
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なおこの付近のR27は歩道がないので、大型トラック等に注意。

先日の割引券がもう1枚あったので、若狭町のきららの湯へ。
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往復2時間もあれば余裕で登れる里山だが、万葉集、枕草子、八百比丘尼伝説、後瀬山城跡、常高院など歴史浪漫がまさにてんこ盛り
麓の小浜市街にはドラマちりとてちんのロケ地や杉田玄白生誕地などのスポットもあるので、是非おススメです。


やっぱり、山っていいね!

後瀬山(224.9m)(登り:神明神社コース、下り:愛宕神社コース)
標高差503m
登り 59分、下り 45分、ウォーク 42分 TOTAL 2時間39分
出会った人 1人 出会った動物 なし
2018年:29座目


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Comments 2

大kのりちゃん  

よっし~大明神様、こんにちは。
歴史が満載の後瀬山でしたね。
歴史好きなよっし~さんの事だから全国各地からお誘いがあると、あっちへふらふら・こっちへふらふらと、なかなかとたいへんですね(失礼!)。
私なんかはいつも近場の山ばかりです(わはは~~~)。

2018/05/28 (Mon) 16:02 | EDIT | REPLY |   

よっし~  

Re: タイトルなし

のりちゃんさん またコメントありがとうございます。

後瀬山は福井県にありますが、鯖江からでも富山の高岡ぐらいまで行く距離があるので結構遠いですね。
ハイク的にはだいぶ物足りない感じですが、歴史に触れ合え楽しいですよ。

2018/05/28 (Mon) 17:18 | EDIT | REPLY |   

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