2016年5月7日(土) 曇りのち晴

早いもので四国お麺路の旅も、今日が最終日
今日は阿波(徳島県)の残りの7札所(12・18・19・20・21・22・23番)を回り、
福井に戻らないとならない。

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今日はまず全札所中最難関札所ともいうべき、12番焼山寺にお参りし、
その後18番から23番までを回る計画。
昨日は半日で6札所回れたので、今日は楽勝だと思っていたのだが、これが意外や意外、
かなり大変でした(笑)
 
5時に起床し、車中泊した土柱そよかぜ広場を後にする。
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お世話になりました。

四国一の大河、吉野川を渡り、旧山川町(吉野川市)へ。
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R193を南下し、まずはヨサク(R439)を目指す。
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1000m級の四国山地を横断するR193も、ご多分に漏れない酷道
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しかもそんな山中にあっても、民家が点在する。
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こんな山上まで配達されている方は大変だろうな(笑)
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主な産業は林業しかなく、まさに「WOOD JOB! 〜神去なあなあ日常〜」を地でいく世界。
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道路上にキジや山鳩がたむろしていても驚きません(笑)
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R438(R439)に合流し、神山町方面へ(6:05)
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この辺りのR439は概ね片側2車線で走りやすい。
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案内看板(標高約140m)に従い、県道43で焼山寺へ(6:17)
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ここから焼山寺までは約9kmの隘路が続く。
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この道は13番大日寺に続く遍路みち(約22.7km)にもなっている。
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道幅が狭いだけでなく、勾配も結構急で、エンジンが唸りっぱなし。
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6:31 杖杉庵(衛門三郎入寂地)(標高約440m)
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以前、説明した逆打ちの御利益3倍の基になった、衛門三郎が大師と出会ったのが
まさにこの場所だとされている。


 天長年間(824~834)の頃、伊予松山に衛門三郎という豪農が権勢を奮っていた。
 三郎は欲深く、ある日みすぼらしい身なりの僧侶が自宅前に托鉢に現れる。
 何度も追い返すが僧は現れ続け、8日目に三郎はついに怒って僧の托鉢を取り上げて
 地面に叩き落とすと、鉢は8つに割れてしまい、僧も姿を消してしまった。

 三郎には8人の息子が居たが、その出来事以降、毎年1人ずつ亡くなる不幸が続き、
 8年目には全員居なくなってしまう。
 悲しみに打ちひしがれた三郎の枕元にかつて追い払った僧が現れ、ようやくその僧が
 弘法大師であったと知り、己のしでかした非礼を悟る。

 三郎は懺悔の気持ちから、大師に是非お詫びしようと、財産を処分して遍路の旅
 に出る。
 順打ちで20回巡礼の旅を続けたが、一向に大師とは出会えなかった。
 (大師も順打ちで巡礼していた訳ではなく、乱れ打ち的に回っていたとされる)

 そこで今度は逆回り(逆打ち)で回っていたところ、焼山寺近くの杖杉庵で
 病に倒れる。
 死期が近づいた三郎の前に、なんと大師が現れ、ようやく会うことができた。
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 これまでの非礼を大師に泣いて詫び、「生まれ変わったら伊予の国主になりたい」
 と言い残し、息を引き取ったとされる。
 大師は路傍の石を手にとり、「衛門三郎」と記して、三郎の左手に握らせた。

 そして大師は三郎の亡骸をこの地に埋め、三郎の形見の杉の遍路杖を
 墓標の代わりに立てて弔った。
 その後その杖から新芽が出て、大杉となったとされ、これが杖杉庵
 由来とされる。

 なおこの伝説にはまだ続きがあって、三郎の死んだ翌年に、伊予の領主
 河野氏に男の子が生まれ、その左手にはなぜか、「衛門三郎」と記された石が
 握られていた。
 この石が納められたのが、現在の51番石手寺(いしてじ)と言われる。



件の大杉は享保年間に焼失してしまったが、今でも別の大木がその歴史を物語っている。
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60年に一度の今年、衛門三郎にあやかってお遍路されるのなら、
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ここは絶対外せない場所です。

6:41 焼山寺参詣者用駐車場(標高約677m)
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まだ7時前だが、既に2組の先客がおられた。

駐車場から本堂までは約500m(6:52)
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参道沿いには信者が寄進した石仏が並んでいる。
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不動明王
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参道で一番大きな石仏で、高さ4mほどもあった。
信仰心は金額の多少ではないが、下世話な話、間違いなくうん百万円はかかっているだろう。
本尊札所:36・37・45・54番。

慈母観音菩薩
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これもかなり大きい石像。

(涅槃)釈迦如来
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お釈迦様が入滅されるお姿。
本尊札所:1・3・9・49・73番。

文殊菩薩
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ご存じ文殊山の守護仏で、智慧を司る。
本尊札所:31番。

紅葉の新葉が鮮やかで、紅葉の時期はもっと素晴らしいことだろう。
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一体ずつ拝んでいるのでなかなか前に進みません(笑)

普賢菩薩
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六牙の白象に結跏趺坐して合掌する姿。

地蔵菩薩
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通常菩薩は空居天だが、地蔵菩薩は地居天に留まって衆生を救って下さる。
本尊札所:5・19・20・25・37・56番。

弥勒菩薩
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有名な広隆寺の弥勒菩薩半跏思惟像と比べると、チョッとお顔が大きい感じ(笑)
本尊札所:14番。

薬師如来
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西方の極楽浄土を司どり、五智如来の1つ、阿閦(あしゅく)如来と同一視される。
本尊札所:6・11・15・17・18・22・23・26・33・34・35・39・40・46・50・51・59・
67・74・75・76・77・88番。

観世音菩薩
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聖観音、十一面観音、千手観音など様々な変化身を持つ。
本尊札所:8・10・13・16・27・29・32・37・38・41・43・44・48・52・58・62・65・
66・69・70・71・79・80・81・82・83・84・85・86・87番。計30札所と最多。

勢至菩薩
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観(世)音菩薩とともに、阿弥陀三尊の脇侍となることが多い。

阿弥陀如来
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密教における金剛界曼荼羅の五智如来(五仏)の1つで、西方の極楽浄土を司る。
本尊札所:2・7・30・37・47・53・57・64・68・78番。

阿閦如来(あしゅく)
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五智如来の1つで、東方の衆生救済を司り、薬師如来と同一視される。

大日如来
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五智如来の中心で、真言密教における最高仏。胎蔵界曼荼羅でも中央に位置する。
なお残りの智如来は、北方の不空成就如来(≒釈迦如来)、南方の宝生如来。
本尊札所:4・28・42・60・61・72番。

郷土の文殊山を中心とする越前五山(文殊山、白山、日野山、越智山、吉野ヶ岳)も
この金剛界曼荼羅の五仏を準えているのだろう。

ようやく山門下に到着(7:00)
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全霊場中、2番目の高所(標高約710m)にある札所(1位は66番雲辺寺の911m)
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徒歩だと、前後どちらの札所にも山越えで10~20km以上、単純標高差も約670mもあり、
全霊場中、訪れるのが一番厳しい札所とされる。

7:02 12番札所 焼山寺(しょうざんじ)
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高野山真言宗の寺院で、山号は摩盧山。御本尊は虚空蔵菩薩。
本尊真言は”のうぼう あきゃしゃ きゃらばや おんあり きゃまり ぼり そわか”

修験道の祖、役小角が開山し、蔵王権現を祀ったとされる。
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その後この山に火を吐いて村人を襲う大蛇が棲みつき、これを聞いた弘法大師が神通力で
この大蛇を岩窟に閉じ込めたとされる。

大蛇により全山焼けてしまったことから、焼山寺の由来となる。
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本堂脇から奥の院のある焼山寺山頂(938m)までの登山道(1.1km)が伸びており、
大蛇封じ込めの岩などもあるが、今回はあまり時間がないのでパス。

昨年の日本遺産認定に続き、四国遍路を世界遺産に登録しようとする動きがある。
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個人的には既に十分認知されており、敢えて世界遺産に登録する必要はないと思う。
ただでさえ宗教色が薄れて、観光色が強くなっているとの批判がある中、
世界遺産登録=所詮は売上増大が目的で、伝統や文化を理解しない単なるスタンプラリーに
成り下がるのではないだろうか・・・

納経をいただくべく、納経所へ(7:20)
ここでチョッと残念なことがあった。

納経所には住職と思しき恰幅の良い僧侶がおられ、鋭い眼光とアクの強そうな尊顔が
独特の威圧感を放っている。
前の方が納経帳を差し出すと、

住:「何人で来たの? 歩き? 車? で、何人?」

などと矢継ぎ早に質問し、何やら小さな用紙に記入している。
まぁ本人には悪意はなく、これが地のままなのだろうが、
取調室で被疑者が刑事に誘導尋問されているような雰囲気。

交通手段を聞いているのは、駐車場や林道整備費の志納料(駐車料)として、
普通車が300円、ワゴン車が500円、大型バスは1000円徴収するためで、
人数まで聞いているのは、人数で車の大きさや台数を判断するためなのだろう。

こんな高所まで林道や駐車場を整備されているので、
駐車料を払うのは全然文句はない。


だが前の方や私の時もほぼ同じで、半ば取り調べかと思うような口調で話し、
私は前の方とのやりとりを見ていたので予め理解できたが、前の方は
(なんでそんなことを命令口調で聞かれないといけないの?)と怪訝そうな顔だった。
同じ尋ねるにしても、相手の気持ちを考えた柔らかい口調や、質問の意図を明確にして
からであれば、ここまでの違和感抵抗感は与えないだろう。
正直私が受けた印象は、遍路者=騙すかもしれない、という性悪説に立ち、
必ず徴収してやろうとするオーラがありありと感じられた。

でもそんな気持ちが分からんでもない、もっと残念な出来事が・・・

納経を貰い、いただいた御姿などを仕舞おうとしていると、次の遍路者が納経へ。
住:「何人、1人?」
男:「1人です」
住:「車? 徒歩?」
男:「徒歩です!」
よ:(えっ!? ウソ!)
私は思わず聴いた自分の耳を疑ってしまう。
実はこの男性、私が駐車場で準備をしている最中に、で到着。
参道中でも、一言二言話をしていたからだ。

住職も怪しいと感じたのか、
住:「昨日はどこに泊まったの?」
住:「ふ~ん、それじゃそこから何時間ぐらいかかった?」
などとアリバイ崩しの質問を立て続けに繰り出す。

傍から見ていると、この二人のやりとり、まさに狐と狸の化かし合い
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「先ほど駐車場で一緒でしたよ」と喉まで出かかったが、二匹の化かし合いが滑稽で放置(笑)
ずる賢い狐さんとの問答に、狸さんも根負けしたのか、結局、志納料は徴収されなかった。

”去るモノは追わず・・・”
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遍路には十善戒という守るべき戒めがある。
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                 十善戒
 
、 不殺生(ふせっしょう) … 殺生することなかれ
、 不偸盗(ふちゅうとう) … 盗むなかれ
、 不邪淫(ふじゃいん) … 邪淫することなかれ
四 、 不妄語(ふもうご) … 偽りをいうことなかれ
五 、 不綺語(ふきご) … 虚飾の言葉をいうことなかれ
六 、 不悪口(ふあく) … 悪口をいうことなかれ
七 、 不両舌(ふりょうぜつ) … 二枚舌をつかうことなかれ
八 、 不慳貪(ふけんどん) … 貪ることなかれ
九 、 不瞋恚(ふしんに) … 怒ることなかれ
十 、 不邪見(ふじゃけん) … よこしまな考えを起こすなかれ



邪見や妄語な遍路者が、慳貪や瞋恚な態度を招いてしまったのかもしれない。
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同行の大師様もきっと憂いておられることだろう・・・
私のレポも少し辛口(悪口)なところは反省します(笑)

焼山寺を後にし、R438から佐那河内村を経由して30km先の小松島市へ。

途中コンビニで朝食を採る(8:00)
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そろそろお麺路もキツくなってきた(笑)

8:23 恩山寺駐車場(標高約50m)
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駐車場は無料。白衣姿のお遍路ライダーの方もおられた。

8:25 18番札所 恩山寺(おんざんじ)
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高野山真言宗の寺院で、山号は母養山。御本尊は薬師如来。

本尊真言は”おん ころころ せんだりまとうぎ そわか”
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釈迦の十大弟子の木像。
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続いて4km先の立江寺(標高約2m)へ。
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元は現在地より西に400mほどいった奥谷山麓にあったが、戦禍により焼失。
藩主蜂須賀家政公により現在の場所に再興される。

9:05 19番札所 立江寺(たつえじ)
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高野山真言宗の寺院で、山号は橋池山。御本尊は延命地蔵菩薩。駐車場は有料(200円)
本尊真言は”おん かかかびさんまえい そわか”

境内にある多宝塔。
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ここは比較的大きな札所で、お遍路グッズもいろいろ販売されていた。
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本日4つ目の札所、20番鶴林寺に向かう。
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地元の人や遍路からは”お鶴さん”と呼ばれ親しまれているが、
”一に焼山、二にお鶴、三に太龍”と並び称される阿波の難所の一つで、
”遍路ころがし”と呼ばれる急傾斜の山道が続く。

9:40 鶴林寺駐車場(標高約475m)
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車でもかなりの傾斜の道でした。

山門には仁王像の他に寺名の由来になった鶴像がある。
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本堂はこの石段を登った先にある。
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歩き遍路の場合、最後の最後でこの階段はキツいだろうな(笑)
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9:47 20番札所 鶴林寺(かくりんじ)
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高野山真言宗の寺院で、山号は霊鷲山。御本尊は地蔵菩薩。
本尊真言は”おん かかかびさんまえい そわか”

文政6(1823)年に創建された三重塔
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お鶴さんも焼山寺同様、道路維持管理費として300円(普通車)が徴収される。
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住:「ご苦労様です。歩いて登ってこられたんですか?」
よ:「いえいえ、車でです」
住:「では大変恐れ入りますが、300円を頂戴します」

まだ若そうなお鶴さんのお坊さんは笑顔で、物腰柔らかな口調で尋ねられ、
聞いていることは先ほどの狸さんとさほど変わらないのだが、受ける印象は天と地ほど異なり、
払う側が素直に応じられるように上手く誘導されていた。
しかも料金徴収の御礼として、交通安全ステッカーまでいただけた。

遍路は巡礼であって、観光じゃない!
もちろん私もそうだと思うが、もし本当に世界遺産登録を目指すのであれば、
遍路者を迎えるホスピタリティやサービスを取り入れていくべき。

隘路の県道19を進み、21番太龍寺に向かう。
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2016年お麺路ハイク 徳島札所巡礼③につづく・・・


やっぱり、お遍路っていいね!

参拝札所:4札所(12・18・19・20番)
TOTAL:88札所中67札所

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