続・劔岳Mの記 第2章

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Byよっし~

2015年9月15日(火) 晴れ

2週間ぶりに訪れた劔岳早月尾根

ザックの軽量化やドーピング剤の見直し、標高差の検証、歩き方の改良などを行ったせいか、
前回9時間もかかった早月小屋まで、7時間で到着することができた。

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※一部レポ中に出てこない方がありますが、いずれも近いうちに登られる方です(ウソ)

今日はいよいよ山頂アタック
山頂へは劔岳の核心部と謂われる急峻な岩稜帯を通らなければならない。
小屋までのルートも危険ではないとは言わないが、ここから先は一般登山道としては
最難関の部類に入るルートで、これまでの比ではない。
チョッとした不注意で大怪我や、最悪の場合死に至るケースもありうる。

いよいよ続・劔岳Mの記 第2章の幕開けです。
 
昨夜は疲れのせいか、消灯(20:00)前の19時頃に床に就く。
夜中2度ほど眼が覚め外に出てみたところ、空には満天の星が煌めいていた。

ゴソゴソとした音でみたび眼が覚めると時刻は4時半。
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同室の方は4人ほど起きておられ、2人の方は既に出発されていた。

日の出(5:37)はまだ1時間ほど先だが、僅かながら山肌が見えてきた。
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やや雲が残っていたが、富山市内の夜景もはっきり望めた。
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小屋前の気温は4.5℃
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薄手のアウターを1枚羽織らないと肌寒い。

昨日の残りのおにぎりを頬張りながら、急いで山頂アタックの準備を済ませる。
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朝食の代わりの弁当は途中で食べることにしよう。
水は昨日担いできた残りがまだ1.5Lあるので、多分大丈夫だろう。
お代官様に声をかけ、ヘッデンを装着して小屋を後にする。

山頂に続く登山道は上のテン場の先にあり、暗いと少し判り難い。
できれば前日中に確かめておいた方が良い。

5:01 早月小屋(標高約2220m)
DSCN0191_20150918133916813.jpg
小屋から山頂までは距離約2.9km、標高差約779m
標準タイムは3時間30分だが、亀足の私は今日も”ちんたら歩き作戦”なので、
標高差200m≒1時間と計算して目標タイムは4時間に設定。

なお今日1日のタイムテーブルはおおまかにこんな感じ。

5:00早月小屋~9:00剱岳山頂10:00~13:00早月小屋13:30~18:00馬場島

計画通りでも、行動時間が過去最高の13時間にも及ぶ長丁場になる(汗)
なお山頂到着が遅れた場合、滞在時間で調整する予定。

ヘッデン(GENTOS HW-777H)を灯してハイク開始(5:01)
DSCN0192_20150918133917f3e.jpg
おっと、今日もアミノバイタルカプシを忘れずに服用。

まずは薄暗い樹林帯の中を登っていく。
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登り始めて20分ぐらいすると、日の出間近でだいぶ白んできた(5:20)
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樹林帯を抜けると視界が開け、尾根の周囲の山々が顔を出してくる(5:47)
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小屋がだいぶ低くなってきたが、まだ標高200mも登っていない。

左手(北)には毛勝三山毛勝山(2415m)と猫又山(2378m)
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また右手(南)には山頂部に雲のかかった奥大日岳(2611m)
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そこから視線をやや左(東)に移すと、剱御前(2777m)や立山(大汝峰)(3015m)
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植生がハイマツ帯に変わり始める付近でヘッデンを消灯。
DSCN0199_20150918133947dca.jpg

5:57 標識(標高2400m)
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LAPタイムは56分と一応計画通り。今日はハードコースなので、無理をせず標識ごとに小休止。

昨日談笑した77歳の男性に続き出発(6:08)
DSCN0202_20150918134009bdd.jpg
今日もご健脚で、あっという間に見えなくなりました(笑)

次の目標、2600m地点は遥か頭上です(汗)
DSCN0204_20150918134012c6b.jpg

日の出は過ぎたが、稜線の影響で西側の早月尾根側にはまだ日差しが差し込んでこない。
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むしろ暑くなくてありがたい。

次第に前方に大きな岩が目立ち始める。
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赤ペンキでマーキングされているということは、あの岩を登るのか。。。

かなりの急斜面を登っていきます。
DSCN0207_20150918134034a3e.jpg

まだガスも上がってきていないので、麓がすっきりと望める。
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7:02 標識(標高2600m)
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LAPタイムは54分。ハイク開始から2時間1分と依然計画通り。

この先は森林限界を超えた岩稜帯になるので、装備の準備と朝食で長めの小休止。
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小屋~山頂の区間では一番広くなった場所なので、休憩するにはピッタリ。

朝弁当のお寿司を半分だけいただく。
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巻き寿司といなり寿司のシンプルな弁当だが、甘過ぎない絶妙な酢加減で美味しい。

前回はただの重りになったカラビナとスリングで、簡易チェストハーネスを装着。
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またトレッキングポールはザックに収納し、ヘルメットも装着して出発(7:17)

この辺りのナナカマドは紅葉が始まっていた。
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稜線から太陽が昇ってきた。
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日差しが当たると、みるみるうちに暑くなってくる。

ここから先は”エ●スの殿堂”ならぬ、岩の殿堂となる。
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すみません、poptripさんのようなことを言って(笑)

ヤマハハコ(山母子)
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キク科ヤマハハコ属の多年草 。もう終了直前だった。

室堂平や弥陀ヶ原、地獄谷が眼下に見えるようになった。
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お、あれは薬師岳(2926m)かな?

植物が極端に減り、荒々しい岩肌になってきた。
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息を乱さぬようにゆっくり登っているつもりだが、段差が大きくなってきて、
鎖場で踏ん張ったりするので呼吸が乱れやすくキツくなってきた。

先行しているハイカーが休憩しているのが2800m地点。
DSCN0223_2015091813413674c.jpg
まだあんな先か・・・

この辺りからロープ場鎖場が増えてくる。
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先行者や後続者がいる時は、特に落石に注意。

毛勝山や猫又山も全景が望めるようになってきた。
DSCN0227_201509181341588c5.jpg

うん、あれは一昨年登った白馬岳(2932m)だ!
DSCN0231_20150918134202986.jpg

2600m地点も随分下に見えるようになった。
DSCN0229.jpg
この付近は昨夜氷点下まで下がったようで、霜が降りていた。

8:30 標識(標高2800m)
DSCN0230.jpg
LAPタイムは1時間13分。ハイク開始から3時間29分が経過し残り標高差200mなので、
目標の4時間は絶望的。山頂滞在で帳尻を合わせるしかない。
後から判ったが、偶然にも同じ日に福井どえむ会の小島烏水ことあつぷりさんが、
別山尾根ルートで劔岳に登っていたそうです(笑)

立ったままアミノカプシを服用して出発(8:33)
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早月小屋がもうあんな下に見える。
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いよいよデンジャーゾーン突入です(8:50)
DSCN0235_20150918134230567.jpg
この付近で下山中の昨日同室だったご夫婦とすれ違う。
「遅い出発だったんですね?」
「いえ、みなさんと同じ5時に出発したんですが・・・」
「・・・・・・」

山頂付近の稜線にはハイカーの姿も視認できる。
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早月尾根ルートの核心部、カニのはさみに差しかかる(9:07)
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以前はカニのハサミのような形状の2つの岩峰だったが、一方が崩れてしまったそうだ。

持参した簡易ハーネスのカラビナを鎖に付けてセルフビレイしようかと思ったが、
DSCN0240.jpg
意外と足場や鎖がしっかりしているので使用しなかった。
アンカーに近づくにつれ、鎖が岩肌に密着してカラビナが通る隙間が少なくてひっかかりそうで、
むしろビレイしない方がひっかからず安全だと思ったからです。

赤丸の部分が有名な1本ボルト
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ここだけは足掛かりの岩同士が離れているので、岩肌に1本のボルトが打ち込まれている。
しかも進行方向に直角ではなく、やや斜めになっている。
また登りの場合、ボルトには少し下っていくので、それが余計に恐怖心を煽ることになるのかも。

事前にイメージトレーニングした通り、右足でボルトに足をかける(←これ重要!)

右利きの場合左足から足をかけそうになるが、左足でボルトに足をかけてしまうと、
右側が岩肌のため右足を捌くためには足をクロスするか、
崖側に身体を開きながら半回転しないとならないので大変危険
一方、右足からだと左足はクロスしなくても出せるので、こちらの方がより安全という訳。
廊下などで模擬練習してみればよ~く分かると思います。
なおこれは登りの場合なので、下りの場合は逆の左足からとなります。

1本ボルトを無事渡り終えた先では、御老体や小屋で一緒だった方が通過待ちしていた。
みなさんもう下山されるんですか。。。。

最大の難所と呼ばれるカニのはさみは通過したが、この先は急登な岩登り
DSCN0242_20150918134256a5b.jpg
むしろこちらの方が危険と感じたほどで、両手両足でしっかり三点支持をしながら登っていく。

岩に描かれたマーキングを見落とさないように。
DSCN0243_20150918134258502.jpg

浮石も多いので不用意に足を置いたりしないよう注意。
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右手にはこの先で合流する別山尾根ルート
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難所のカニのタテバイ付近では順番待ちするハイカーの姿が確認できた。

視線の先に別山尾根・早月尾根の合流点が見えてきた(9:32)
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続・劔岳Mの記 第3章につづく・・・

(この区間の行程)
5:01 早月小屋
5:57 標識(標高2400m)6:08
7:02 標識(標高2600m)7:17
8:30 標識(標高2800m)8:33
9:07 カニのはさみ
9:32 別山尾根・早月尾根合流点直下

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Comments 4

kita  

1本ボルトの部分の解説。
大変参考になります!ありがとうございます。

家でやってみると、最初に足をクロスするか後にクロスするかの違いですね。カニのハサミだけに、カニ歩きできると一番良いのですが…

クライミングジムで練習してこようかな?

2015/09/19 (Sat) 09:45 | EDIT | REPLY |   

よっし~  

Re: タイトルなし

kitaさん こんにちは

そうです。そういうことです。

1本ボルトのある場所は右側が岩壁で、ボルトの長さも10㎝ほどなので、片足しか乗せられません。
右利きの方は右手で鎖を持っていると、つい反対側の左足を出してしまいますが、そうすると右足は自分の左足と岩壁の間の狭い隙間をクロスさせながら抜く感じにしないと進めず、非常に危険です。

そこで私はまだ多少足場の余裕があるボルト直前で、身体をやや岩壁側に向けて右足を内側からクロスさせてボルトにのせ、左足を外側から次の足場になる岩に運びました。

登りの場合、ボルト自体が進行方向側に斜めになっているので最初の一歩が少し怖く感じますが、kitaさんならおそらく大丈夫じゃないでしょうか。
お気をつけて挑戦して下さい。

2015/09/20 (Sun) 10:28 | EDIT | REPLY |   

ツギロウ  

よっし~さん 日本で最難関といわれる岩と雪の殿堂の登頂おめでとうございました。

陸軍参謀本部よたよたさんと日本山岳会のAPさんとの息詰まる登頂合戦も虚々実々入り乱れて、映画以上に見応えがありました。(これホント)

表題画像で香川照之さんが演じた山案内人、宇治長次郎さんのところに「ツギロウ」の名をハメて頂いたのはとても光栄なんですが、すさマジイぷれっしゃーを感じています!

さすがにソロでは超おっかないのでお隣に名前のある生田信(松田龍平)ことpopさんとしっかりカラダと手を繋いでチャレンジしたいと思います(笑) 

2015/09/22 (Tue) 10:58 | EDIT | REPLY |   

よっし~  

Re: タイトルなし

宇治長次郎ことツギロウ殿、こんばんは\(^▽^)/!

温厚で腰の低いツギロウ殿はまさに宇治長次郎かな?と思いました(笑)
最新の登山ギアでガシガシ登るAPさんは、小島烏水、
ちょっと天邪鬼の気がありそうなpopさんは生田信に当てはめましたw

ヘタれの私が登れたんですから、ツギロウ殿なら楽勝ですよ。
是非長次郎雪渓か源次郎尾根でどうぞ(ウソ)

2015/09/22 (Tue) 21:07 | EDIT | REPLY |   

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