剱岳 Mの記 1日目その1

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Byよっし~

2015年8月28日(金) 曇り時々晴れのち小雨

久しぶりに連休が貰えたので、以前から温めていた計画を実行しよう。

剱岳(早月尾根)
DSCN9865p.jpg
剱岳への登山ルートは立山室堂側から登る別山尾根ルートがポピュラーだが、
今回選んだのは”試練と憧れ”の石碑で有名な早月尾根(はやつきおね)。
北アルプス三大急登の1つとされ、登山口の馬場島(760m)から剱岳山頂(2999m)まで、
標高差2239m距離8.3km超どえむなコースである。
日帰りで登る猛者も大勢いるが、ヘタれな私はもちろん早月小屋泊まりの1泊2日の行程。
さらにどえむなテン泊も考えたが、間違いなく返り討ちに遭いそうなので思い留まる(笑)
 
出発前から色んな方の山行レポを読み漁り、しっかりと予習と対策を練る。

まずは映画「劔岳 点の記」でイメージトレーニング(←これ重要)
c8a5edd09d97a3d1913e7863cdc3300e.jpg
もうかれこれ5回は観ています(笑)

(あらすじ)
1907(明治40)年7月、長年地図の空白地帯だった劔岳に、陸軍参謀本部陸地測量部の技官柴崎芳太郎らが、
厳しい自然環境や日本山岳会との初登頂争いなど様々な困難の末、登頂。
柴崎らが初登頂と思いきや、山頂にはなぜか錆びた鉄剣と銅製の錫杖が残されていた。
登頂の苛酷さから三等三角点の標石を運び上げることができず、標石のない四等を設置。
三等以上とされる”点の記”も作成されなかった。

柴崎らが登頂したのは、案内人の宇治長次郎の名を冠する長次郎雪渓ルートで、
早月尾根とは別ルートだが作中にも出てきており、劔岳の苛酷さを実感できる。

また先日途中敗退に終わった別山チブリ尾根は、実は今回の予行演習だった。

①距離       別山チブリ尾根:9.4km  剱岳早月尾根:8.3km
②標高差      別山チブリ尾根:1512m  剱岳早月尾根:2239m
③標準コースタイム 別山チブリ尾根:約6時間  剱岳早月尾根:約9時間10分

両者はスケールや難易度こそ違え、山頂までひたすら長い尾根を登っていく点で似ている。
特に標高がそれぞれ2399m、2999mと、大台まで僅か1m足りないところなんかもそっくり(笑)
本当なら先週チブリ尾根のリベンジを果たしてから剱岳に挑むつもりだったのだが、
天候がそぐわずぶっつけ本番になってしまった(汗)

気になる天候は、前々日(26日)までは両日とも登山指数Cで、山行が危ぶまれたが、
tsurugidake_weather20150828.jpg
前日(27日)にA並びにBに好転。これも普段の行いが良いせいだろう(ウソ)

剱岳は別名、岩と雪の殿堂と呼ばれ、早月尾根核心部の”カニのはさみ”では、
岩壁に打ち込まれた1本のボルトに足をかけて通過しないとならない。
ネット情報では”カニのヨコバイ”のある別山尾根ルートの下りほど危険ではなく、
三点支持がしっかりできれば問題ないとあったが、さすがにチョッと不安。

そこで登山ショップでセルフビレイ用のスリングカラビナを購入。
DSCN9845.jpg
これでチェスト用の簡易ハーネスにする予定。
引張り強度がどちらも22kN(キロニュートン=2.2トン)超なので、0.1トン超の私でも大丈夫(笑)
本来カラビナなどに頼ろうとする時点で劔岳は時期尚早なのだろうが、お守りのつもりで持っていく。

また普段は同僚に山行のことなど伝えないのだが、今回は万一戻らない場合のことも考えて、
机の上に業務の引き継ぎ事項を書き残して置く(ちょっと大袈裟だったかもw)

出発前に再度登山指数を確認したところ、初日後半が再びに変わっていた。
tsurugidake_weather20150828b.jpg
どうやら夜は雨で、翌日は回復するようだが大丈夫だろうか。。。

一抹の不安を抱きながらも22時に自宅を出発。
北陸道で富山を目指し、立山IC手前の流杉PAで車中泊。

6時に起床し、5km先の立山ICを目指す。
DSCN9846.jpg
剱岳方面にはどんよりとした雲が垂れ込めていた。

立山ICで高速を降り、標識に従い馬場島(ばんばじま)方面へ。
DSCN9848.jpg

途中のコンビニで朝飯を購入。
DSCN9849.jpg

馬場島に続く県道46は一部狭隘箇所があるが、片側1車線と概ね走り易い。
DSCN9850.jpg
ただし大型ダンプが行き交うのでスピードは控え目に。

前方に早月尾根が見えてきた。
DSCN9851.jpg
想像以上に急登そうだ。。。

7:03 馬場島キャンプ場駐車場(標高約747m)
DSCN9854.jpg
既に20台近い車があった。

上市町営 馬場島荘
DSCN9856.jpg
キャンプ場に隣接しており、前泊で利用されるハイカーも多い。温泉ではないが入浴も可能(510円)
ちょうど3名のおねーさまたちが宿舎から出てこられ、これから登られるようだ。

馬場島荘

入口脇にあるポストに登山届を忘れずに投函。
DSCN9859.jpg

今回はテン泊ではないが、80Lザックをチョイス。
DSCN9855.jpg
ヘルメットはまた年季の入った工事用です(笑)

早月尾根はチブリ同様、水場がないため、は原則担ぎ上げなけらばならない。
小屋でも購入できるが、ヘリで荷揚げされるため500mlで400円、2Lで900円と高価。
2日目分は小屋で購入するとして、初日分の水3.5Lを用意。

ほかに行動食、ヘルメット、カッパ、山頂アタック用ザック、ヘッデン、カラビナなどもろもろで、
装備を抑えたつもりが15kgにもなってしまった(汗)

北アルプス三大急登なので、ドーピング剤も5本用意。
DSCN9858.jpg
これだけでも合計500gになります(笑)

準備を済ませ200mほど先の登山口を目指す(7:24)
DSCN9860.jpg

キャンプ場には水場とトイレ(水洗)が完備されている。
DSCN9861.jpg
コース上には早月小屋以外トイレがないのでOPP対策はしっかりと(笑)

キャンプ場を進んでいくと石碑がある広場へ。
DSCN9862.jpg

劔岳の諭
DSCN9863.jpg

一.劔岳は岩と雪の殿堂である
  人身とも鍛錬された人びとよ来れ

一.気象は激しく変動する
  冷静沈着な行動に徹せよ

一.掟は厳しい 力と勇気をもって
  苦難に挑め

一.自然は生命を躍動させる
  無垢な姿をとこしえに

一.山に寄せる心のたかまり 劔岳は
  逞しさと豊かさを育む


付近に誰も居なかったので、声に出して読み上げ、心に刻む。

試練と憧れ
DSCN9865.jpg
剱岳早月尾根を端的に表現したこの言葉はあまりにも有名。
わたし風にいうと、どえむの聖地かな?(笑)

観音様があったのでハイクの安全を祈願。
DSCN9867.jpg

7:32 剱岳早月尾根登山口(標高約770m)
DSCN9869.jpg

本日の目標の早月小屋までは、距離約5.4km、標高差約1450m
DSCN9870.jpg
先ほど比べた別山チブリ尾根コースの標高差を、約半分の距離で登らないとならない(大汗)
でも急登で有名な地元の鬼ヶ岳(533m:距離1.4km・標高差430m)なら3.5回分
こう考えるとそんなに大したことはなく感じるのは気のせい?

標準コースタイムは5時間40分(他に4時間40分や5時間10分とする例もあり)
亀足の私の平均時速1km/hで計算すれば、一見コースタイムで登れそうだが、
私の場合、距離よりも標高差に左右されることが多い。
小休止も多いので標高差200m毎に1時間として、7時間が目標タイム。
今日は小屋までだから、14時台に小屋に着ければ御の字だ。

のっけから急登が始まることは事前に予習済。
DSCN9873.jpg

ただ道がつづら折れになっており、木製の板で階段もしっかりあるので、それほどキツく感じない。
DSCN9872.jpg
みつまた山の方が遥かに急で、この時点では北アルプス三大急登ってこんなもんかと侮っていた。

最初の急登を登り切ると、平坦になる。
DSCN9874.jpg
この一帯は松尾前の平(標高約875m)と呼ばれるらしい。

前の平から何段か平坦な部分を過ぎて、またひと登り。
DSCN9877.jpg

8:18 松尾平(松尾奥の平)(標高約1000m)
DSCN9878.jpg
大きなベンチがあったので、少し早いが小休止。

登山口から1km、標高差約230mを登ってきたが、小屋はまだまだ先。
DSCN9879.jpg
ここからは標高差200mごとに標識があります。

予報通り日差しが出てきたが、山頂方面は相変わらず厚い雲の中(8:26)
DSCN9880.jpg

序盤は泥濘も多いが、このように木の踏み台があるので歩き易い。
DSCN9882.jpg

標高が上がるにつれ、見事な立山杉が目立ってくる。
DSCN9883.jpg

富山県の県木に指定されている。
DSCN9884.jpg

この立山杉には大きな洞(ほら)があり、大人1人が十分入れるほど。
DSCN9885.jpg

次第に傾斜がキツくなり、日差しが容赦なく降り注ぐ。
DSCN9888.jpg
情報通り虫がぶんぶん飛び回っていたが、蚊取り線香の効果であまり寄ってこない。

ツアー登山と思しき20名近い一行が下ってきた。
DSCN9890.jpg
どうやら別山尾根側から登頂し、馬場島側に下山するようだ。

9:29 標識(標高1200m)
DSCN9891.jpg
当初は標識1個とばし(400m毎)で休憩しようと思っていたが、すぐに断念(笑)

ちょっと早いが、シャリバテする前に追加ドーピング。
DSCN9893.jpg

これで復活と思いきや、この辺でシャリバテでまた小休止(10:21)
DSCN9894.jpg

標識1個とばしどころか、1個も行かないうちにまた休憩とは・・・
DSCN9895.jpg
すみません、早月尾根をナメていました(笑)

段差が大きいのと木の根が多いので、小股でチョロチョロ作戦が使えず大苦戦。
DSCN9897.jpg
さすが行者様が、”木の根を背負って登り、木の根を背負って降りよ”と言われたほどである(ウソ)

10:55 標識(標高1400m)
DSCN9898.jpg
この区間は1時間15分もかかってしまった。
というのもこの標識、実際は1450mほどのところにあるらしく、この区間は長かった。

この付近からようやく眺望が開け始める。
DSCN9899.jpg

ミヤマアキノキリンソウ(深山秋の麒麟草)
DSCN9900.jpg
キク科アキノキリンソウ属の多年草。別名コガネギク。

オヤマリンドウ(御山竜胆)
DSCN9904.jpg
リンドウ科リンドウ属の多年草。花弁は全開せず、わずかに開くのみ。

11:26 標識(標高1600m)
DSCN9906.jpg
ここでも小休止。ハイク開始から4時間で、今のところ計画通り。

こまめに行動食を摂取してシャリバテを防ぎます。
DSCN9908.jpg

3組ほど後続のグループが登ってきたが、水分補給ぐらいでスルーしていく。
DSCN9907.jpg
彼らは9時に登り始めたそうだ(汗) でも私は焦らずマイペースで行きますよ(笑)

剱岳 Mの記 1日目その2につづく・・・

(この区間の行程)
7:03 馬場島キャンプ場駐車場 7:24
7:32 剱岳早月尾根登山口
8:18 松尾平(松尾奥の平)8:26
9:29 標識(標高1200m)9:40
10:21(中休止)10:41
10:55 標識(標高1400m)
11:26 標識(標高1600m)

やっぱり、山っていいね!

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Comments 10

よっしー  

おはようございます。
すっごいですね~
人のことながら超ドキドキします。

この記事書いているんだから、無事に戻ってきているということで一応安心しています。
続き待ってます(*^_^*)

2015/08/31 (Mon) 10:00 | EDIT | REPLY |   

k-eco  

よっし~さん お初です!!
よっしーの連れのk-ecoと申します
とにかく早く次の記事UPをお願いします
でないと仕事が手につきません・・・
まるでガラスの仮面と王家の紋章の次号が出るのを待ってる状態です・・・ 

2015/08/31 (Mon) 10:09 | EDIT | REPLY |   

toshi0113  

よっし~さん、こんにちは
遂に向かわれましたね

丁度、1年前に僕も小屋泊まりで登頂しました
このブログ以降にヘロヘロになるのをこれから拝見しますね(笑)
だって...益々辛くなりますもの 早月は

2015/08/31 (Mon) 12:25 | EDIT | REPLY |   

よっし~  

Re: タイトルなし

よっしーさん こんにちは

調子こいて剱岳に行っちゃいました(笑)
さすが北アルプス三大急登の早月尾根、随分痛めつけられて昨日から猛烈な筋肉痛に襲われています。

白山観光新道を登られたよっしーさんたちなら大丈夫だと思いますので、来年あたりいかがですか。

2015/08/31 (Mon) 17:06 | EDIT | REPLY |   

よっし~  

Re: タイトルなし

k-ecoさん こんにちは

コメントありがとうございます。
k-ecoさんの痛快ブログ、いつも拝見させていただいております。
よっしーさんとはひと味違う辛口の記事に毎回笑わせてもらってます。
また”妖怪なめくじ歩き”や”買え買え悪魔”など勝手ながら使わせていただいております(笑)

次のレポは現在作成中なのでもうしばらくお待ちください。
ってお仕事中ですよね(笑)

2015/08/31 (Mon) 17:10 | EDIT | REPLY |   

よっし~  

Re: タイトルなし

toshi0113さん こんにちは

そう言えば昨年toshiさんたちも登られたんですね。
早月尾根、本当にキツかったです。
最初はナメていたんですが、だんだんキツくなり、足が上がらなくなってしまいました。
特に1600mから小屋までの間は完全にヘロヘロでした。

やはり”試練と憧れ”はまさに的を得た言葉ですね。

2015/08/31 (Mon) 17:13 | EDIT | REPLY |   

コウちゃん  

参考になるね~
だってこの人↓のは参考にならないから!!
http://higaeritozan.sakura.ne.jp/2015.8.4.html

まずは鬼ヶ岳3.5回分登ってみて、剱岳に行けるか
判断したいと思います汗。

2015/08/31 (Mon) 21:29 | EDIT | REPLY |   

ツギロウ  

やややっ!? と、と、殿ぉ~!

ついに日本で一番危険なお山に向かわれたんですね。
しかも三大急登の早月尾根からですか。
くぅはぁ~スゴイ!「試練」に立ち向かい、「憧れ」を自分の手にしようとする勇気と決断に敬意を表します。

続編を史上最高のワクワクでお待ち致しております!
ご武運を~



2015/09/01 (Tue) 01:00 | EDIT | REPLY |   

よっし~  

Re: タイトルなし

コウちゃんさん こんにちは

隊長に先駆けて早月尾根に行って参りました(笑)

あの方の記録はほとんどの方が参考にならないでしょう。
早月尾根を3時間弱で登るなんて、もはや人間業じゃないですね。

小屋までは鬼ヶ岳と比較すると3.5回分。
1回1時間半としても、3.5回で5時間20分ほどなのでほぼ標準コースタイム通り。
でも後半がキツいんです(笑)

2015/09/02 (Wed) 11:22 | EDIT | REPLY |   

よっし~  

Re: タイトルなし

ツギロウ殿 こんにちは

破堕腕として一から修行すべく、早月尾根に登ってきました(笑)
最初は大したことないなと侮っていたんですが、なんのなんの後半どんどん急登になり、段差も大きくなってキツかったです。
段差が50㎝以上あるので、足を上げるのが大変で、正直チブリ尾根が可愛らしく感じました。
やはり北アルプス三大急登はダテじゃないです。

2015/09/02 (Wed) 11:26 | EDIT | REPLY |   

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