2014年4月3日(木) 晴れのち曇り

「今日の2座目はどこ?」

コウちゃんさんのお店でお昼をいただいた際、こう尋ねられる。
端っから私イコール2座登るという前提ですね~ ええ、確かにもう1座登りますよ(笑)

そんなご期待?に添う本日の2座目は、禅師王子山(ぜんじおうじやま※)
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※「ぜぜおうじ」とも呼ぶ説も。写真は大野市側から撮影したもの。

勝山市と大野市を遮るように聳える山で、東端にはR157の下荒井トンネルが通っている。
2万5000分の1の地形図でも山名は書かれておらず、もちろん登山ガイドブックにも載っていない超~マイナーな山で、またしても探検&藪漕ぎマニアの本領発揮。
実はコウちゃんさんも今年の2月に、勝山側の嵭崎(ほうき)集落から登られている。
ということは、コウちゃんさんも探検マニアだったんですね(笑)
中世において巨大宗教都市を形成した平泉寺(へいせんじ)の寺域(境内)は四至(しいし)内と呼ばれ、一辺が約1里(約4km)四方にも及ぶ広大なものだったとされる。
四至とは古代から中世における所領・荘園等の東西南北の境界のことを指し、平泉寺を中心に4つの方角に基点が設けられた。

(うしとら=北東)には虚空蔵(こくうぞう)
(たつみ=南東)には荒神岩(こうじんいわ)
(ひつじさる=南西)には禅師王子(ぜんじおうじ)
(いぬい=北西)には比島観音(ひしまかんのん)

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なお比島観音は先ほど登ってきたバンビラインの第2展望台から鹿谷・比島方面に行ったところにあり、一昨年一度訪れたことがある。本尊の千手観音菩薩像は年1回、春の祭礼時にのみご開帳され、今年は4月20日(日)だそうだ。
また虚空蔵は大師山(550m)と三頭山(777m)の稜線ルート途中の緩斜面にあり、荒神岩は弁財天川近くにあるようだ。

山名はこの禅師王子に因んだとされている。
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こちらの写真は勝山市側から撮ったもの。

ネット情報では大野市側にも登山口があるらしいので、大野市西大月地区へ。
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大月の地名の由来は、かつて大野盆地が湖であった頃、磐座神社が炎上。ご神体を案じた村人がやってきたところ、ご神体は境内の大槻(=欅)の木の上に避難されていたことから大槻村と呼ばれるようになり、後年転じて大月になったとされる。
てっきり禅師王子山から稜線続きの天子山にかけて三日月のように弧を描いた山容なので、そこから名付けられたのかと思っていた。

13:00 禅師峯寺(ぜんじぶじ)(標高約155m)
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寺伝によると、旧寺名は禅師王寺で前述の通り平泉寺の四至の一角を司る寺坊であったが、その後曹洞宗開祖の道元禅師が永平寺を開く以前に拠点とされた吉峰寺(きっぽうじ)に移られる前に居られたとされ、寺名も禅師峯寺に改称されたと謂われる。
ただし四至の禅師王子とこの禅師峯寺が同一だったかどうかは、いまだはっきりしていないようだ。

お寺の前に来ると、もの凄い数の車が駐車してあった。 ま、まさかこれ全部登山者??
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どうやら今日は大般若会や涅槃会(ねはんえ)が催されているようだ。
涅槃会とはお釈迦様が入滅された日(新暦3月15日)前後に行なわれる法要で、色鮮やかなお団子(餅)をお釈迦様の分身として撒いてその功徳をいただくだんごまきが行なわれる
私の近所でも行なわれていて、子供の頃、だんごまき用のお布施集めを行なった覚えがある。

田んぼの畦にはシバザクラが咲き始めていた。
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情報では禅師峯寺の隣にある磐座神社裏から登るようだ。
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13:05 磐座神社(いわくらじんじゃ)(標高約170m)
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式内社で、本尊は天孫降臨の彦火瓊々杵尊(ひこほのににぎのみこと)。
元々は現在の社殿より30mほど東の位置にあったらしい。
”座”は”くら”と読み、大野には他にも篠座神社(しのくらじんじゃ)などがある。

この岩が磐座?
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境内にはカタクリが咲いていた。
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拝殿の奥にある本殿。
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この辺りから登るみたいだが、標識や看板のたぐいは全くなし。

裏手に回ると林道のような道が伸びていたので進んでいく。
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ただ近年はほとんど使われていないようで、雑草や灌木が生え放題と荒れている。

5分ほど登ると林道もどきが終了。
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ここから谷沿いを登っていく。
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古いトレースがあるようにも見えるが、何の標識もテープ類もなし。
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本当にこの道でいいのだろうか。。。

ようやく赤テープが出現。
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よかった。ここまでは正しいようだ(笑)

だがルートはどんどん急登になってくる(汗)
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手頃な丸太があったので、たまらずここで小休止(13:31)
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この付近にもカタクリが咲いていた。
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途中で見かけたロープの残骸。
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確かにかつては道があったようだが、近年はほとんど登る方がいないみたい。

ここら付近で完全にトレースが消滅。どうしよう。。。
この先のルートをどうするか、地図と辺りを見比べながらしばしルートファインディング。

1つは引き続き、急登な谷間を直登していくルート。
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こちらは山頂まで最短距離だが、かなりの急傾斜が待っていそう。

もう1つは右手の尾根に取り付くルート。
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こちらの方がやや緩やかだが、藪が煩そうで山頂までも随分遠回りになる。

う~ん、どうしよう。。。

悩んだ末、敢えてキツそうな前者の谷直登を選択。
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どえむだからじゃありません(笑)

視界が開け、背後には大野盆地が広がる。
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ダラダラと滝のような汗が止まらない。
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それもそのはず。この日の最高気温は23℃で、5月下旬並の陽気だったそうだ。

稜線が見えてきた付近からますます傾斜がキツくなり、たまらず右手の尾根にエスケープ(14:26)
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ダンコウバイ(檀香梅)
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足元が緩く潅木の枝に掴まりながら登っていくが、枝が折れて危うく落ちそうになる場面も。
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帰りはこれを下るのか。。。 これは絶対登山道じゃありません(笑)

斜面の途中で小休止していると、ギュッギュッという声。 カモシカだ!
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シシ神さまはしばらくじっとコッチを見た後、悠然と歩いていかれた。
ここを登る酔狂な人間もいるんもんだと呆れているのかも(笑)

急登の攻撃は手を緩めることはなく、立ち止まりが激増。
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ヒーヒー 稜線はまだかー
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ようやく稜線(標高約473m)に合流する(15:21)
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ここまでで既に2時間21分が経過。このルート、本当にシャレになりません(笑)

急登が終わったと思ったら、今度は藪攻撃
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芽吹く前でこの状態なので、草木が茂る時期はとんでもない悪路になりそう。

イノシシくんの沼田場もあった。
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山頂部は結構広い。
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古書(建撕記)によると、寛元元(1243)年に道元禅師が最初に「正法眼蔵(しょうほうげんぞう)」を説かれたのが禅師峯山、つまりこの禅師王子山とされ、ここに行者たちが集まった茅庵(ぼうあん)があったとされる。

藪の先に人工物が見えてきた。
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あれがコウちゃんさんのレポにもあった反射板だろう。

15:38 禅師王子山山頂(標高516.8m)
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タイムは2時間38分。この一画だけはキレイに藪が刈られていた。

周りを木々に囲まれているせいで眺望はあまり良くない。
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かろうじて大野方面の眺望が開けていたが、稜線続きの天子山(572m)は見えなかった。
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山頂に三角点(四等・西大月)があるはずなのだが、みつけられなかった。

もうあのルートを歩きたくないので、下りは北側に続く巡視路へ(15:45)
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15:46 巡視路分岐(三叉路)(標高約504m)
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巡視路はここで二手に分かれる。おそらく左がコウちゃんさんが登ってこられた嵭崎(ほうき)側に降りるルートで、右が下荒井側に続くルートだろう。

車を停めた西大月に近い右側の下荒井方面へ。
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なんださっきの藪のすぐ隣にこんなキレイな道があったんだ(笑)

ずっと稜線を下っていくのかと思いきや、巡視路は左に折れ尾根を下り始める。
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ショウジョウバカマ
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しっかり下草が刈られ、路面にはステップも切ってあった。
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巡視路お約束のプラ階段も登場。
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キンキマメザクラ
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トクワカソウ(イワウチワ)
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大野側より春の野草が多い。

15:57 鉄塔(九頭竜幹線№44)(標高約395m)
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ここからの眺望は山頂と比べて断然イイ。
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平泉寺や麓の下荒井集落もはっきりと望めた。
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あれ? 道は行き止まり?!
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鉄塔の右手(東側)に階段を発見! 良かった~

ここからは斜面をトラバースしながら下っていく。
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巡視路だけあって総じてよく手入れされているが、
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このように崩落しかけた箇所や倒木もあった。
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16:10 鉄塔(九頭竜幹線№43)(標高約350m)
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43番鉄塔を過ぎると、巡視路はつづら折れに下っていく。
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しばらくすると造成林の中へ。
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キクザキイチゲ
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16:23 巡視路分岐(三叉路)
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登ってくる場合、禅師王子山には右の№43へ。

16:24 林道出合(標高約250m)
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巡視路はここで終了。

入口の目印はこの看板。
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ここからは未舗装の林道を下っていく。
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路面がかなり荒れていて、4WDのRV車以外は厳しそう。

16:31 林道ゲート
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しっかり施錠されており、許可車以外は進入できないようだ。
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ハイカーは両サイドから通れます。

16:34 下荒井登山口(標高約155m)
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下りは49分。禅師王子山への登山コースはここを使った方がいいと思います。

脇にあるのは下荒井ダムの発電用導水路。
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ここから禅師王子山、こうのす山、保田経ヶ岳山麓の地下を通り、旧上志比村(永平寺町)の市荒川で発電され、九頭竜川に戻される。

九頭竜川左岸の県道168に合流。
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ただし付近に駐車スペースがないのでご注意を。

車を停めた西大月までは約2km。
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左手のこの辺りは、かつて泰澄大師が筥(箱)に乗って九頭竜川を渡ったとされる伝説から筥の渡しと呼ばれていた。

下荒井橋南詰の商店で水分補給。
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う~ コーラが飲みたい。
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しっかり130円になっていた(笑)

禅師王子山東端を迂回している旧道(県道171)でも戻れるが、近道の下荒井トンネル(R157)へ。
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ただし通行量が多くて路肩も狭いので、ヘッデンを付けて右側を歩いた方がいい。
トンネルの右脇(西側)に林道らしき道が続いていたので、こちらからも登山口にいけるのかも。

なおトンネルの上部には三角点(265.8m)があり、その北側に地元の方が見切り天場(白山社)と呼ぶ場所があるそうで、ここが四至の禅師王子だったとも謂われている。
機会があればこちらも調査してみよう。

トンネルを抜けて再び大野市へ(16:58)
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すぐ隣にあるこのトンネルは、旧京福電鉄越前本線の下荒井トンネル。
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かつては勝山~大野間にも電車が通っていたが、昭和49(1974)年廃線となった。現在はケーブルテレビの送電路として使われている。

ラッパ水仙の咲く赤根川沿いをトボトボ歩いていく。
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17:13 禅師峯寺(ぜんじぶじ)(標高約155m)
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あれほどあった車もすっかり無くなっていた。だんごまき、もう終わっちゃったんだよな~

禅師王子山を仰ぎ、改めて登りで歩いたルートを確認。
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我ながらとんでもないルートを登ったもんだ。くどいようですが、これは登山道じゃありません(笑)

下山後は永平寺町の禅の湯で汗を流し帰宅。
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湯上り後はやっぱりコレ(かけそば大盛かき揚げのせ330円)に限る(笑)
30円値上がりしていたが、それでも充分安い!

今回のルート図 (クリックすると拡大します)
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やっぱり、山っていいね!

禅師王子山(516.8m)(登り:西大月コース? 下り:下荒井コース)
標高差236m
登り 2時間38分、下り 49分、ウォーク 39分、TOTAL 4時間13分

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